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多発性骨髄腫を患いながらも100回めのマラソン完走!75歳の男性に勇気をもらう

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

アメリカ、ミネソタ州に住むドン・ライトさんは75歳の男性です。彼は2013年にフルマラソンで初めて完走した時、これが最後のマラソンになると思ったそうです。

というのも、マラソンを完走して数週間後、腰痛を感じたドンさんは医者に行き、思わぬ宣告を受けたからです。彼の病気は腰痛とは比べ物にならないほど深刻なものでした。病名は多発性骨髄腫というまれな血液の悪性腫瘍の一つで、「あと5年は生きられないだろう」と診断結果でした。

早期発見・完治が難しい多発性骨髄腫

多発性骨髄腫は骨髄の中にある形質細胞ががん化する病気で、正常な血液を作れなくなったり、骨の中に腫瘍を作ることで、病状がある程度進行すると、骨の痛みや骨折、貧血・高カルシウム血症・疫力の低下・感染症・腎臓障害・神経障害などの症状が現れますが、初期の段階では症状がほとんど現れないことが多く、早期発見が難しい病気です。

最初の自覚症状は骨の痛みや骨折で、これをきっかけに整形外科を受診した結果、多発性骨髄腫であることが発見されるケースが最も多いそうです。まさにドンさんもそうでした。

アメリカ・がん学会によると、1年に30,330人が多発性骨髄腫を発症するそうです。日本では、1年間に人口10万人あたり2~3人発症するということで、生存率はわずか0.7%です。

「多発性骨髄腫は完治が難しい病気だ。医師や病院のスタッフは一生懸命治療をしてくれているけれど完治はできていないんだ」

とドンさんは言います。

しかし、ドンさんは、多発性骨髄腫と診断されてからも、この病気の啓蒙のためにマラソンを続けることにしました。

家族に見守られながら100回目の完走記録を達成

2003年以降、彼は50州で50のマラソン大会に参加し、2016年11月20日にフィラデルフィアで家族に見守られながら100回目の完走記録を達成しました。

「私がスタートラインに立つと、私を知っている人たちのことを考えると涙が出そうになる。でも走っている時はとにかく楽しい。道に漂いながら、通過していく景色に身を委ねていると、がん細胞が目の前で潰れていくような気持になるよ」

多発性骨髄腫は完治は難しい病ですが、ドンさんのように治療を続けながら生き続けている方も多くいます。

「それはこの13年の間にどんどん新しい薬が出て、色々な治療方法が可能になっているから」

ドンさんは、最近、弁護士の仕事にも復帰しました。

ドンさんがマラソンに参加する時は、いつも家族と一緒です。奥さんと娘さんはいつもドンさんを励ましながら、一緒に50州のマラソンに参加し、多くの大会でハーフマラソンを完走したそうです。

「チームワークの勝利なんだ。最初のレースが終わった時、すごく楽しかった。だからその後、ツーソンやボストンで走り、マラソンに参加することを私たち家族のライフスタイルの一つにしたんだよ」

ドンさんは、“My Life Is Worth It”というがんの啓蒙とがん治療にかかる費用の自己負担の軽減や、保険の適用の向上を進める団体をサポートしています。

「今まで生きてこられなかったら孫に会えなかった。とてもラッキーだったと思う。これからも走り続けるよ」

と語るドンさん。今後、革新的な治療と薬が開発されてますます長生きできますように。そして、これからもずっと走り続けて同じ病気で苦しむ人たちの希望の光になってくれることを願います。


[文/grape編集部]

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