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「やっぱりアイドルの枠を超えている」TOKIOの作った『モリ』が博物館へ

By - grape編集部  公開:  更新:

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2018年1月28日に放送されたバラエティ番組『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)で、TOKIOがサメの歯を使い、漁具の銛(もり)作りに挑戦。

番組では、日本における銛研究の第一人者と紹介された、横浜歴史博物館の学芸員・高橋健さんの助言を受けて銛を完成させます。

完成した銛を使い、山口達也さんと城島茂さんが、城ケ島の沖合でエイやタコなどを捕獲。サメの歯の銛で、漁ができることを証明してみせました。

高橋さんも番組内で、このようにコメントをしています。

今回、学術的にもすごく価値のある試みだと思いますよ。

サメの歯で漁具を作るのは、私の知る限りでは初めての試みではないかと。

実験考古学的にも意味のある試みです。

ザ!鉄腕!DASH!! ーより引用

そして、高橋さんが番組にお願いし、なんと横浜市歴史博物館でTOKIOの銛が特別展示されることになったのです。

実際にどれほど珍しいものなのか、高橋さんにお話を伺ってみました。

痕跡はあるけど、実物はない

――こういった実験は以前にもあった?

実験考古学というものがあって、実際に昔の土器や石器を作ったり、骨で釣針を作ったりして、作り方や使えるかどうかなどの実験をすることはあります。

ただ、漁具を使ってみるという実験はそれほど多くは行われていません。

――サメの歯で銛を作った人は?

日本の縄文時代の銛や釣針などは、主にシカの角を材料に作られることが多かったので、サメの歯で作って実験してみたという前例はないのではないかと思います

実はサメの歯を使った銛だと確実にいえるものが、これまでに遺跡から発掘されたかというと、見つかっていないんです。

遺跡から見つかるサメの歯には穴をあけたものがありますが、これはお守りとしてペンダントなどに使っていたのではないか、と考えられることが多いです。また、類例は少ないのですが、木の棒にサメの歯を埋め込み、こん棒のようなものを作っていたのではないかといわれている資料もあります。

出土品にはサメの歯の根元を削って平らにしている例もあり、矢じりとして使われていたのではないかとする意見もあります。ただし実際に作って使ってみるという研究は、少なくとも日本ではこれまでになかったのではないかと思います。

今回の復元では、実際に遺跡から見つかった資料を参考にして、縄文人が使っていた技術を組み合わせると、サメの歯で作った漁具もありうるのではないか、というものを製作しました。

今回、TOKIOがサメの歯で銛を作り、実用に耐えると実証したことで、何か変化はあるのでしょうか。

――サメの歯についての考えが変わったことは?

理屈ではサメの歯を矢じりのような物に使っていただろう、とは考えていましたが、今回の実験で漁具として実際に使えることが実証されました。

これからは、装飾品だけでなく、漁具などの実用品として使われていた可能性も考えて行かなければと思います

サメの歯の考古学的な考えかたを広げた、TOKIOの銛。アイドルグループとは思えない伝説を、また1つ残しました。

TOKIOの銛は、2018年1月30日から3月31日まで横浜市歴史博物館の2階廊下で、サメの歯のペンダントなどと一緒に展示されています。

興味のある人は、ぜひ足を運んでみてください!

『ミニ展示 サメ歯製漁具』

期間:2018年1月30日~3月31日まで
開館時間:9:00~ 17:00
場所:横浜市歴史博物館 2階廊下


[文・構成/grape編集部]

出典
ザ!鉄腕!DASH!!@yokorekihaku

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