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地震、噴火、豪雨…何が起こってもおかしくない時代 私たちにできることとは

By - 吉元 由美  公開:  更新:

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吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

いま、私たちにできること~ハチドリのひとしずく

日本の夏は、とても厳しい季節になりました。猛暑から酷暑へ。場所によっては40℃近い気温になっています。そして、10年ほど前から『ゲリラ豪雨』と呼ばれるようになった突発的な豪雨が起こり始めました。

2008年の夏、東宝ミュージカル『RENT』のお稽古を帝国劇場の地下のリハーサル室で行なっていました。私は朝から夜遅くまで訳詞の作業をしていたのですが、気分転換をしようと地上に出てみてびっくりしたのです。日比谷のオフィス街、通りを挟んだビルが霞んで見えないほどの激しい雨。いったい何が起こっているのだろうと、立ち尽くしてしまったことを覚えています。

今回の西日本の豪雨災害。日常のすべてが土砂に流され、埋め尽くされてしまった。これからどのように生活を再建していくのでしょうか。日本は災害の多い国です。いにしえの時代から災害と復興を繰り返してきました。先人たちは、希望を失うことはなかったのでしょうか。日本人の忍耐強さは、この災害と復興の中で培われたものだと何かの本で読みましたが、ここ数年の地震、噴火、豪雨の被害の大きさを思うと(神様、もうお許しください)と、思わず心でつぶやいてしまいます。

何気なく過ごしている日常生活。時に退屈だと思ったり、平凡な生活だと思ったり。あれもない、これもできないと不満を持つこともあるでしょう。その日常が、自分の責任とは関係なく壊れてしまう理不尽さ。

それでも人間は生きていかなければならない。今日命をつなぐ水と食べ物、そして安全を確保しなければならない。『生きる』『生き抜く』、究極の状態。日本列島は地震の活動期に入ったと言われています。震度5弱の地震がたびたび起こる。やはり、普通のことではないのです。

何が起こってもおかしくない時代、私たち1人ひとりに何ができるのでしょうか。備えることも大事、危機感を持つことも大切です。と同時に、私は1人ひとりが、生きるということに対する意識を高めることも大切なのではないかと考えます。

人間の力で天災を食い止めることはできない。しかし、私たちが高い意識を持つことで、人と人がもっとつながることができ、もっとポジティブなエネルギーを分かち合える状況を作り出すことができると思うのです。生き方の質を高める。日本人が災害と復興を繰り返して忍耐力を培ってきたのであれば、これからも困難を通して進化できる何かがあるはずです。

南アンデスの先住民に伝わるお話をシェアします。私たちに何ができるか。どうあればいいのか。考え、そして行動に移すときが来たのです。

森が燃えていました。

森の生きものたちはわれ先にと、逃げていきました。でもクリキンディという名のハチドリだけは いったりきたり口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます。動物たちがそれを見て「そんなことをして いったい何になるんだ」といって笑います。クリキンディはこう答えました。

「私は、私にできることをしているだけ」

『ハチドリのひとしずく いま、私にできること』(光文社) ーより引用

『自分という物語を生きる~心が輝く大人のシナリオ』(水王舎)


[文・構成/吉元由美]

吉元由美

作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
吉元由美オフィシャルサイト
吉元由美Facebookページ
単行本「大人の結婚」

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