ACの広告が難問で、理解できない人が続出? 「この問題は、本当に問題です」
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子どもの支援活動を行っているNGO『セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン』の広告が、2018年7月からTVや新聞・雑誌などのメディアや、公共交通機関が無償で提供する広告枠に展開されています。
この広告のテーマは『問題』。広告には、クイズ形式の問題が掲載されています。
問題
サラさんは、起きている時間の半分で家の手伝いを、残りの時間の3分の2で妹の世話をします。
6時間寝た時、勉強は何時間できますか?
学校へは、歩いて往復3時間かかるものとします。
世界では、子どもの6人に1人が学校に通えていません。
『セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン』は「この問題は、本当に問題です」とメッセージを掲げました。
しかし、このサラさんについての問題が正しく理解されていないことから、ネット上で別の意味での『問題』を引き起こしているのです。
問題が難しすぎて、解けない人が続出?
「6時間寝た時、勉強は何時間できますか?」
この問題の答えは以下のとおりです。
サラさんが起きている時間:24時間-6時間=18時間
家の手伝いをしている時間:18時間÷2=9時間
妹の世話をしている時間:9時間×2÷3=6時間
残りの時間:18-9-6=3時間
そこから学校への往復にかかる3時間を引くと…答えは『0』。学校へ行って勉強する時間は、サラさんにはありません。
この問題は、子どもたちが学校に行けない現実をリアルに感じられるように投げかけられたもの。しかし、ネット上にはこういった声も見られます。
・往復だけで6時間もかかるなんて、環境を変えたほうがいいよ。
・学校に行っても何もしないで帰って来てるってこと?
・家の手伝いの時間が長すぎる。そんなに妹の世話が必要?
・睡眠時間を削るしかない。
・学校に行かないで家にいれば3時間勉強できる。
問題を読み解き違えている人や、現実を想像しきれない人がいることが分かります。
サラさんは家の手伝いや妹の世話に無駄に時間を割いているわけではなく、しなければならないのが現実なのです。もちろん、学校に行かずに独学で勉強するのは難しいでしょう。
確かに、出題された問題は分かりづらく、計算間違いをしてしまう人が出てもおかしくはありません。正しく読み解いた人が問題の根本的な部分に気付き、指摘したことでネット上での注目度がさらに高まりました。
簡単に理解できない問題だからこそ、多くの人の心に刺さったという考えかたもできます。
この広告をきっかけに、世界で起こっていることへの気付きを得た人は少なくないでしょう。
イエメンで労働に従事する子どもたち
[文・構成/grape編集部]