「嘘つきは戦争の始まり」宝島社の企業広告に「攻めすぎ」の声 その意図に考えさせられる
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「死ぬときぐらい好きにさせてよ」「ヒトは、本を読まねばサルである」といった、インパクトのあるキャッチコピーを発信する株式会社宝島社。
1998年から続く宝島社の企業広告は、「商品では伝えきれない『企業として社会に伝えたいメッセージ』を、広告を通じて伝えたい」という思いで、社会や人間の生きかたについて訴えかけています。
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2019年1月7日、宝島社は「敵は、嘘。」「嘘つきは、戦争の始まり。」をキャッチコピーとする2種類の広告を、新聞3紙に同時掲載しました。
宝島社の企業広告「嘘つきは、戦争の始まり」に反響
「敵は、嘘。」(読売新聞、日刊ゲンダイコピー)
「敵は、嘘。」
いろいろな人がいろいろな嘘をついている。子供の頃から「嘘をつくな」と言われてきたのに嘘をついている。
陰謀も隠蔽も改ざんも粉飾も、つまりは嘘。世界中にこれほど嘘が蔓延した時代があっただろうか。
いい年した大人が嘘をつき、謝罪して、居直って恥ずかしくないのか。
この負の連鎖はきっと私たちをとんでもない場所へ連れてゆく。嘘に慣れるな、嘘を止めろ、今年、嘘をやっつけろ。
「嘘つきは、戦争の始まり。」(朝日新聞コピー)
「嘘つきは、戦争の始まり。」
「イラクが油田の油を海に流した」
その証拠とされ、湾岸戦争本格化のきっかけとなった一枚の写真。しかしその真偽はいまだ定かではない。
ポーランド侵攻もトンキン湾事件も、嘘から始まったと言われている。
陰謀も隠蔽も暗殺も、つまりは、嘘。そして今、多くの指導者たちが平然と嘘をついている。この負の連鎖はきっと私たちをとんでもない場所へ連れてゆく。
今、人類が戦うべき相手は、原発よりウィルスより温暖化より、嘘である。嘘に慣れるな、嘘を止めろ、今年、嘘をやっつけろ。
『ウソ』をテーマとして、多くの人にそう呼びかける広告を発表した宝島社。
今回の広告意図について、このようにコメントしています。
気がつくと、世界中にウソがまん延しています。連日メディアを賑わしている隠ぺい、陰謀、収賄(しゅうわい)、改ざん…。それらはすべて、つまりはウソです。
それを伝えるニュースでさえ、フェイクニュースが飛び交い、何が真実なのか見えにくい時代になってしまいました。人々は、次から次に出てくるウソに慣れてしまい、怒ることを忘れているように見えます。
いまを生きる人々に、ウソについてあらためて考えてほしい。そして、ウソに立ち向かってほしい。そんな思いをこめて制作しました。
この広告はネット上でまたたく間に話題になり、「いまの時代の問題点を浮き彫りにしてくれている」「こういう攻めた出版社があるのはいいことだと思う」「この広告を新聞に載せるだなんて、攻めてるなあ」といった声が上がっています。
「いい年した大人がウソをつき、謝罪して、居直って恥ずかしくないのか」…誰かへ向けたその言葉からは、強い抗議の意思が伝わってくるようです。
[文・構成/grape編集部]