日清のアニメCMが『人種差別』で非公開に 大坂なおみ選手の描写に賛否両論
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2018年にテニスの全米オープン女子シングルスで初優勝を飾り、日本で一躍有名人となった大坂なおみ選手。
ハイチ共和国出身の父親と、日本人の母親の間に生まれた日米二重国籍の大坂選手は、日本の登録選手として活躍しています。
日清食品ホールディングスは2019年1月11日、自社に所属する大坂選手、錦織圭選手、綿貫陽介が登場するアニメCM動画を2本公開。
人気漫画『テニスの王子様(通称・テニプリ)』とのコラボレーション動画に、ネットから反響が上がりました。しかし、動画内の『ある1点』が議論になっています。
アニメキャラになった大坂なおみ選手の『肌の色』が議論に
動画では3人の選手がアニメキャラクターとして登場し、テニプリのキャラクターたちと船旅をしたり、テニスの試合をしたりする姿が描かれています。
そんな中、問題視されたのは大坂なおみ選手の肌の色。
大坂選手の肌が錦織選手らと同じ肌の色で着色されていることに対し、「ホワイトウォッシュ(人種を変換して白人に置き換えること)ではないか」といった批判の声が上がったのです。
同月23日、大坂選手のマネジメント会社からの公開停止の要請を受け、該当する動画2本が非公開になりました。
動画が非公開になる前、大坂選手は該当動画が掲載された日清のツイートをリツイート(拡散)し、「いいね」を押していました。
テニプリ原作の作者である許斐剛さんは、アニメCMのキャラクターデザインに関わっていないとのこと。
今回の件はアメリカのニューヨーク・タイムズでも報じられ、日清の広報担当は同紙に対し「ホワイトウォッシュを意識したつもりはなかった。今後は多様性の問題に対し、十分に注意を払うべきである」とコメントしています。
今回の騒動に対する、日本国内の反応
【批判的な声】
・明らかにホワイトウォッシュされてる。肌の色は大切なアイデンティティなのに。
・なぜ、わざわざ肌の色を変えて描いたんだろう?誰も疑問を覚えなかったのかな。
・日本では問題視されづらいけど、海外からすると大問題。
【肯定的な声】
・日本で肌の色を差別している人は少ない。気にしすぎだと思う。
・でも、大坂選手は写真によって肌の色の印象が異なる。アニメの絵を見て、そんなに違和感は覚えなかった。
・「肌が黒くないから差別」という人のほうが、逆に差別をしているのでは?
何を差別と感じるかは、人によって異なります。そのため、当事者間ですらその判断をするのは難しいことでしょう。
「不快だからやめてほしい」「配慮しすぎると堅苦しい世の中になる」…どちらの意見も尊重すべきものです。
多様性が認められ、差別に対して厳しい目が向けられている昨今、今後もこういった意見の衝突が生じるかもしれません。
ですが多くの人が差別について考え、さまざまな意見を出し合うことことで、よりよい社会に近付いていくのではないでしょうか。
[文・構成/grape編集部]