イチロー「人より頑張るなんてできない」 引退会見で明かした『生き方』が胸を打つ
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日本時間2019年3月21日、シアトル・マリナーズのイチロー選手が現役引退を発表しました。
深夜1時20分まで続いた記者会見では『イチロー節』が炸裂。ファンの胸を打つ名言も数多く誕生した、印象的な90分間となりました。
イチロー「人より頑張ることなんてできない」
会見中、報道陣から『生き様』に関する質問が飛び出しました。
日本人として、イチロー選手を誇りに感じている人は多いと思います。イチロー選手の生き様で伝えられたことや、伝わっていたら嬉しいなと思うことはありますか?
イチロー選手は数秒間、無言で考えた後「生き様というものは、よく分からない」とひと言。しかし、「生きかたと考えれば」と続け、質問への答えを語り始めました。
イチロー選手:
先ほどもお話ししましたけれど、人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。
あくまでも、秤(はかり)は自分の中にある。それで、自分なりにその秤をつかいながら、自分の限界を見ながら、ちょっと超えていく…ということを繰り返していく。
そうすると、いつの日か「こんな自分になっているんだ」っていう状態になって。だから、少しずつの積み重ねでしか、自分を超えていけないというふうに思うんですよね。
一気に高みに行こうとすると、いまの自分の状態とギャップがありすぎて。それは続けられないと僕は考えているので。
まぁ、地道に進むしかない。進むというか、進むだけではないですね。後退もしながら、後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。
でも、それが正解とは限らないんですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど。でも、そうやって遠回りすることでしか、本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので。
そうやって自分なりに重ねてきたことを、今日のゲーム後のファンのかたの気持ちですよね。それを、見た時にひょっとしたら、そんなとこを見ていただいていたのかなという風に。それは嬉しかったです。そうだとすれば嬉しいし、そうじゃなくても嬉しいです。
「人より頑張ることなんて、とてもできない」「あくまでも、秤は自分の中にある」といったイチロー選手の考えは多くの人の胸を打ち、大きな反響を呼んでいます。
【ネット上の反応】
・そこらへんの啓発系のセミナーに行くより、よっぽどためになる会見だったと思う。
・人と比べがちだけど、結局は自分次第なんだなって思えた。この瞬間から、また頑張ります。
・たぶん自分は、この日の会見でイチロー選手が語った言葉を忘れないだろう。
イチロー選手が背負い続けてきたプレッシャーは、私たちが想像できるものではありません。
しかし、常に挑戦を続け、地道に高みを目指してきたイチロー選手だからこそ、言葉の重みを感じます。
野球選手としてはもちろん、その『生きかた』でも多くの人を魅了してきたイチロー選手。『伝説』といわれる理由を痛感する、引退会見でした。
[文・構成/grape編集部]