「うちの息子を最後にしたい…」急性アルコール中毒で死亡した東大生、両親の無念 By - grape編集部 公開:2015-07-23 更新:2018-06-03 事故学生酒 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ 3年前の2012年7月27日、隅田川花火大会の場所取りのために集まっていたサークルの飲み会で、痛ましい事故が起こりました。 その日、東京大学のテニスサークルはOBを含めた41人でコンパを開催。 そこで行われていた「マキバ」と呼ばれるイッキ飲みの儀式で、当時21歳だった高原滉(あきら)さんが、急性アルコール中毒で亡くなったのです。 事故の問題点 今回の事故で問題視されているのは、お酒の「強要」があったことと、こん睡状態の高原さんに対し「救護活動を行わず放置した」ことです。 問題となった「マキバ」という儀式 円陣を組みマイムマイムを歌い踊り、演奏が止まると中央にある大容量の焼酎ボトル(原液)を、コールがある間は飲み続けるというルール。 東大駒場キャンパスで、40年以上続くサークルの伝統的な飲酒儀式でした。 仲間の異変を無視し、続く宴会 高原さんは盛り上げ役であるコンパ長を任されており、誰よりも多く飲酒することが求められていました。推定飲酒量は1.1リットル、アルコール度数は25度でした。 午後9時頃から飲み続けた結果、高原さんは失禁するほど重篤な状態に陥りましたが、他のメンバーはズボンを脱がせ、集団から離れた場所に横たえただけ。 その後4時間にわたり放置し、救急車を呼んだのは死亡後2時間が経過した午前2時過ぎで、高原さんの体は死後硬直が始まっていたそうです。 証拠隠滅か? 昏睡状態の高原さんに対し、救急車を呼んだり、水を飲ませるなどの処置はせずコンパを続けていた40人。 しかし、事の重大さに気付いた主要メンバーは、未成年者を帰宅させ、LINEの記録を消去させたことが当時の参加者の聴取から明らかになっています。 高原さんの両親が損害賠償請求 高原さんが亡くなって、もうすぐ3年…。 あと5日で消滅時効が成立する2015年7月22日、高原さんの両親はコンパに参加していた元東大生ら21人に、慰謝料など計1億6900万円の支払いを求め、東京地裁に提訴しました。 高原さんの両親は、参加者41人中31人に責任があると主張。 うち10人とは、1人当たり240万円の支払いを受けることで和解しましたが、「法的責任はない」と和解に応じなかった21人を提訴しました。 毎年のように起こる飲酒事故 今回の提訴について高原さんの父親は、「大学生の不幸な飲酒事故は後を絶たない。我々で最後にしたいと考え、提訴した。」と会見で語っています。 急性アルコール中毒による救急搬送の人数は、20代が最も多く、この割合は今も昔も変わらないそうです。 出典:東京消防庁 時期的なもので見てみると、大勢で飲む機会がある季節に救急搬送される傾向にあります。 出典:東京消防庁 大学入学に際して、新入生にはこういった事故に巻き込まれないよう、プリント等を配布している大学もあります。 しかし実際は、飲み会などで「断る勇気」がないと、その場の空気で飲まされてしまうのが最近の傾向だそうです。 断る勇気も必要ですが、「イッキ飲みすれば盛り上がる」という空気を作らずに、楽しい雰囲気作りをすることが重要なのではないでしょうか。 「こんなに辛いことはないんです。ですからこんな目に合う方々は一人でも… うちの息子を最後にしたい、我々を最後にしたいと思っています。」 ダルビッシュ有が日本に帰国 向かった先は…?2024年11月12日、メジャーリーグの『サンディエゴ・パドレス』に所属するダルビッシュ有選手が、自身のブログを更新。日本に一時帰国していたことを明かしました。 俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。 出典 東京消防庁 Share Post LINE はてな コメント
3年前の2012年7月27日、隅田川花火大会の場所取りのために集まっていたサークルの飲み会で、痛ましい事故が起こりました。
その日、東京大学のテニスサークルはOBを含めた41人でコンパを開催。
そこで行われていた「マキバ」と呼ばれるイッキ飲みの儀式で、当時21歳だった高原滉(あきら)さんが、急性アルコール中毒で亡くなったのです。
事故の問題点
今回の事故で問題視されているのは、お酒の「強要」があったことと、こん睡状態の高原さんに対し「救護活動を行わず放置した」ことです。
問題となった「マキバ」という儀式
円陣を組みマイムマイムを歌い踊り、演奏が止まると中央にある大容量の焼酎ボトル(原液)を、コールがある間は飲み続けるというルール。
東大駒場キャンパスで、40年以上続くサークルの伝統的な飲酒儀式でした。
仲間の異変を無視し、続く宴会
高原さんは盛り上げ役であるコンパ長を任されており、誰よりも多く飲酒することが求められていました。推定飲酒量は1.1リットル、アルコール度数は25度でした。
午後9時頃から飲み続けた結果、高原さんは失禁するほど重篤な状態に陥りましたが、他のメンバーはズボンを脱がせ、集団から離れた場所に横たえただけ。
その後4時間にわたり放置し、救急車を呼んだのは死亡後2時間が経過した午前2時過ぎで、高原さんの体は死後硬直が始まっていたそうです。
証拠隠滅か?
昏睡状態の高原さんに対し、救急車を呼んだり、水を飲ませるなどの処置はせずコンパを続けていた40人。
しかし、事の重大さに気付いた主要メンバーは、未成年者を帰宅させ、LINEの記録を消去させたことが当時の参加者の聴取から明らかになっています。
高原さんの両親が損害賠償請求
高原さんが亡くなって、もうすぐ3年…。
あと5日で消滅時効が成立する2015年7月22日、高原さんの両親はコンパに参加していた元東大生ら21人に、慰謝料など計1億6900万円の支払いを求め、東京地裁に提訴しました。
高原さんの両親は、参加者41人中31人に責任があると主張。
うち10人とは、1人当たり240万円の支払いを受けることで和解しましたが、「法的責任はない」と和解に応じなかった21人を提訴しました。
毎年のように起こる飲酒事故
今回の提訴について高原さんの父親は、「大学生の不幸な飲酒事故は後を絶たない。我々で最後にしたいと考え、提訴した。」と会見で語っています。
急性アルコール中毒による救急搬送の人数は、20代が最も多く、この割合は今も昔も変わらないそうです。
出典:東京消防庁
時期的なもので見てみると、大勢で飲む機会がある季節に救急搬送される傾向にあります。
出典:東京消防庁
大学入学に際して、新入生にはこういった事故に巻き込まれないよう、プリント等を配布している大学もあります。
しかし実際は、飲み会などで「断る勇気」がないと、その場の空気で飲まされてしまうのが最近の傾向だそうです。
断る勇気も必要ですが、「イッキ飲みすれば盛り上がる」という空気を作らずに、楽しい雰囲気作りをすることが重要なのではないでしょうか。
「こんなに辛いことはないんです。ですからこんな目に合う方々は一人でも…
うちの息子を最後にしたい、我々を最後にしたいと思っています。」