イッセー尾形の『妄ソー劇場』が大人気! 『沈黙』では井上筑後守役を熱演
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イッセー尾形(イッセーおがた)さんは、数々の映画やドラマに出演する俳優です。
舞台では、さまざまな人物を巧みに演じ分ける『一人芝居』を中心に活動し、変幻自在の表現力で多くのファンに支持されています。
ここでは、そんなイッセー尾形さんの一人芝居公演の内容や、出演作品にまつわるエピソードなど、さまざまな情報をご紹介します。
イッセー尾形の『妄ソー劇場』が近鉄アート館や練馬文化センターで開催
2018年3月、イッセー尾形さんは自身18年ぶりとなる近鉄アート館の舞台に立ち、『妄ソーセキ劇場+1』と銘打った演目を上演しました。
『妄ソーセキ劇場+1』は、文豪・夏目漱石の小説世界をベースとした一人芝居。演目は、『坑夫』『草枕』『道草』『門』『明暗』に日替わり演目を加えた6つです。
漱石作品に登場する脇役やチョイ役にスポットを当て、イッセー尾形さん独特の妄想と巧みな演技によって、見事に主人公へと仕立て上げました。
2019年には、新たな『文豪カバー』ネタ『「妄ソー劇場」~文豪シリーズその2~』と題した舞台を、近鉄アート館のほか、練馬文化センターなどの劇場で上演。
こちらは作家を絞らずに、イッセー尾形さんが書店に入り目についた小説や、自身が昔読んだ小説などを題材とした一人芝居です。
演目は、佐多稲子さんの『女店員とストライキ』、横光利一さんの『機械』、川端康成さんの『浅草紅団』など、日替わり演目を含む5つ。
物語中の人物をピックアップした『妄ソーセキ劇場+1』とは異なり、作品全体のニュアンスなどからインスピレーションを受けて自由に作られた登場人物が多いのが特徴です。
例えば『浅草紅団』は、原作から借りたのは浅草という場所と空気感だけという具合です。
本作の舞台は、客席から掛け声や拍手が飛び出す、賑やかな雰囲気になることも。従来のイッセー尾形さんの舞台を知るファンからは、驚きの声も上がっています。
しかし、イッセー尾形さん自身は、以前にも増して、大変楽しんで演じていたよう。今後について、イッセー尾形さんは『ウォーカープラス』の取材で「現在の作家も取り上げたい」と意気込みを語っています。
イッセー尾形は映画『沈黙』で井上筑後守役を熱演した
イッセー尾形さんは、2017年公開の時代劇映画『沈黙-サイレンス-』に出演。井上筑後守(いのうえちくごのかみ)役を熱演しました。
井上筑後守は、本作の原作小説である遠藤周作さんの『沈黙』にも登場する、実在した長崎奉行。かつては自らもキリシタンだったものの時流に合わせて棄教し、隠れキリシタンを激しく弾圧する役柄です。
映画『沈黙-サイレンス-』本予告
『TSUTAYA』によると、監督を務めたマーティン・スコセッシは、2000年の映画『ヤンヤン 夏の想い出』以来、イッセー尾形さんに注目。2005年にイッセー尾形さんが主演した映画『太陽』も高く評価し、心惹かれていたのだといいます。
マーティン・スコセッシは、『沈黙-サイレンス-』でのイッセー尾形さんの演技も絶賛。作中の演技はすべてイッセー尾形さん自身が考案したものだと明かし、扇子でハエを払う、ぬかるみにはまるといった何気ない演技に賛辞を送りました。
さらに、井上筑後守から棄教を迫られる宣教師を演じたアンドリュー・ガーフィールドは、イッセー尾形さんの演技の魅力を蛇使いや魔術師、錬金術士にたとえて表現。目を反らせない魅力と見つめすぎると石に変えられそうなメデューサのような怖さを併せ持つ、神秘的な人物だと評しています。
アンドリュー・ガーフィールドは何より、イッセー尾形さんが実年齢より20も年上の役を演じるにも関わらず、特殊なメーキャップなしで加齢を演出したことに驚愕したよう。
同じく映画に出演したリーアム・ニーソンも、共演する場面ではイッセー尾形さんのオーラを意識したと語るなど、イッセー尾形さんの変幻自在な演技に、多くの共演者やスタッフが魅了されたようです。
イッセー尾形が若い頃のエピソードを披露
2018年4月11日、イッセー尾形さんが出演中のドラマ『居酒屋ぼったくり』(BS12トゥエルビ)のメディア向け試写会が行われました。
『居酒屋ぼったくり』は、小ぢんまりとした居酒屋『ぼったくり』に集う人々の交流を描くドラマ。数々の銘酒やおいしい料理が登場し、いわゆる『飯テロ』な要素もある作品です。
イッセー尾形さんは試写会で、翌日に響くのが嫌でお酒をやめたことを明かし、撮影では水を飲んでいたという裏話を公開しました。
また、ドラマタイトルにかけ、自身が若い頃に遭った『ぼったくり未遂』エピソードも披露。そのエピソードは、毎日仕事帰りにビールを飲んでいた店に土曜日に入ってみると、普段の倍額を請求されそうになったというもの。
このことを思い出したのは、「いまだに根に持っているからだろうか」とぼやき、笑いを誘いました。
イッセー尾形は大学浪人中に演劇に目覚めた
『あかい新聞店』によると、イッセー尾形さんが役者を志し始めたのは、大学浪人中のこと。突如として演劇に目覚め、昼間は肉体労働に精を出し、夜は演劇の稽古という生活を送っていたといいます。
そんなイッセー尾形さんにとって転機となったのは1971年。新宿の演劇学校で運命的な出会いが訪れます。
後にイッセー尾形さんの一人芝居の構成・演出を手掛けることとなる演出家・森田雄三(もりたゆうぞう)さんとの出会いです。
その後『森田塾』という形で仲間と共に演劇活動を開始。しかしメンバーは徐々に減り、最終的には森田雄三さんとイッセー尾形さんの2人きりになってしまいます。
必然的に、森田雄三さん演出のもと、イッセー尾形さんの一人芝居が始まりました。
1980年には、初めての一人芝居舞台『バーテンによる12の素描』を上演。以後、仕事をしながらオーディション番組『お笑いスター誕生』(日本テレビ系)での8週連続勝ち抜きや、年に2回の渋谷の小劇場『ジャンジャン』でのネタ発表など実績を積み重ね、1985年に芸術選奨新人賞を受賞しました。
このことをきっかけに、イッセー尾形さんは俳優に専念することを決めたのです。
イッセー尾形さんの俳優としての活躍は目覚ましく、1990年には舞台『都市生活カタログ』でゴールデンアロー賞演劇芸術賞を受賞。その後、紀伊國屋新人賞、スポニチ文化芸術大賞グランプリなど多くの賞を受賞しています。
一人芝居以外の主な主演作品は、2003年の映画『トニー滝谷』、2005年の映画『太陽』、2015年の映画『先生と迷い猫』など。このほか、2015年の映画『HERO』や連続テレビ小説『つばさ』(NHK)、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK)など、多くの作品に出演しています。
イッセー尾形の現在・これから
イッセー尾形さんは、2019年10月に『妄ソー劇場その3』に出演。同年11月には『妄ソー劇場・すぺしゃる』に出演します。
『妄ソー劇場』で一人芝居の新境地を切り開く一方で、ドラマや映画へ出演する機会も多いイッセー尾形さん。今後の活躍にも期待しましょう。
イッセー尾形 プロフィール
生年月日:1952年2月22日
出身地:福岡県
1971年に演出家・森田雄三と出会ったことをきっかけに、『森田塾』で演劇活動を開始。後に森田雄三演出のもと一人芝居を始め、1980年、初の一人芝居『バーテンによる12の素描』の舞台に立つ。1985年、芸術選奨新人賞を受賞。以後、俳優に専念し。1992年には海外公演もスタート。映画『太陽』『沈黙-サイレンス-』、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK)など、多くの作品に出演し、ゴールデンアロー賞演劇芸術賞、スポニチ文化芸術大賞など、受賞歴多数。
[文・構成/grape編集部]