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楽しく易しくリズム感のあることわざ『いろはかるた』

By - 押阪 忍  公開:  更新:

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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。

ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。

歌のいろはも知らない

当方がテレビラジオで多忙だった頃は、クイズ番組やバラエティの他に、歌謡番組も務めさせていただきました。先年この欄で、高名な作詞家の西条八十さんや、星野哲郎さんとの逸話もご披露させて頂きましが、その雑談の中で、先生方は時折、「あの歌手は、唄のいろはも知らない…」と仰いました。この『いろは』とは、勿論『いろはかるた』のことです。

どうでしょう?今の若い世代はその『いろはかるた』も忘れかけた方が多いのではないでしょうか。世の中、PC、スマホの時代。お年寄りやご両親、ご家族との会話も少なくなっています。お正月、コタツの上でかるたやトランプを楽しむご家庭はもう少ないでしょうねぇ…。でも『いろはかるた』を覚えて置き、長いおしゃべりやプレゼンなどを、一言でまとめる的確な表現として、またユーモアのあることわざとして、時折使って欲しいと願っているのです。

覚えていた記憶を取り戻すために「いろはにほへと」まで書いてみますね…。「い、犬も歩けば棒に当る」「ろ、論より証拠」「は、花より団子」「に、憎まれっ子、世にはばかる」「ほ、仏の顔も三度」「へ、下手の長談義」「と、年寄りの冷や水」…と、いろは48文字の文言があるのです。

皆さん方の本棚や机の引き出しの中に『いろはかるた』は、しっかり仕舞ってある筈です。どうか新年の仕事の1つとして『いろはかるた』を書棚から引っ張り出して下さい。『置物クン』として置くのは、勿体ないです。そして一度口ずさんでみて下さい。憶えていたものがすんなり蘇ると思います。

『いろはかるた』は、楽しく易しくリズム感のある諺です。古人の残した言葉の財産『いろはかるた』。温故知新、古きを訪ね新しきを知る。時には楽しく口ずさんでみませんか…。我ら日本人ですから…。

<2020年1月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2019年現在、アナウンサー生活61年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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