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世界遺産に登録されている知床(しれとこ)。日本最北端に位置し、例年多くの観光客が訪れます。
2020年は新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の影響で各地の観光客が減少したにも関わらず、知床ではある物が目立つとのこと。
知床半島と、その周辺地域の自然環境に関する調査・研究などを行っている『公益財団法人 知床財団(以下、知床財団)』は、現状が分かる写真をTwitterに投稿しました。
写っているのは、生ごみや、小魚が入った箱など不法投棄された物。
知床財団のブログによると、同年4~5月にはミカンやキャベツ、モヤシなどの不法投棄もあったそうです。
観光客が捨てたと思われるごみのほか、地元の人が捨てたと思われるごみも混在している状況でした。
エゾシカやヒグマなどの野生動物が生息している知床で、このようなごみが投げ捨てられると間接的な餌付けになってしまいます。
時には、それがヒグマと人を接近させる原因となり、悲劇を引き起こすことも…。
ヒグマの子がビニール袋をくわえたショッキングな光景
ヒグマと人のトラブルを未然に防ぐ活動をしている知床財団は、不法投棄が目立つ現状を次のように分析し、ブログでお願いを呼びかけました。
おそらく、コロナウイルスの影響により、近隣のコンビニエンスストアのゴミ箱が撤去されており、また飲食店や道の駅などの各施設も閉鎖されているため、ゴミの投棄が増えているのではないかと思われます。
みな様、どうか、どうか、ゴミは責任を持って必ず持ち帰ってください。
人のゴミが原因で野生動物が不幸な道(駆除または交通事故などにより死亡)をたどるのは、絶対に避けたいのです。
心からのお願いです。
同年5月5日には、幌別駐車帯近くでヒグマの子がビニール袋をくわえているところを発見。くわえていたビニール袋は、ヒグマ対策員が回収したそうです。
ビニール袋に入っていた食べ物の味を覚えたクマの子が人間に接近するようになったら、処分する必要が出てきてしまいます。
また、もしビニール袋を飲み込んでいたら、それが原因で命を落とすような事態もあったかもしれません。実際、知床ではビニール袋が混ざったヒグマのフンも発見されています。
自然や野生動物、そして自分やほかの人のためにも、不法投棄をするべきではないでしょう。
さらに、「そもそも不法投棄自体は、知床に限らず、社会一般的にやってはいけないこと(犯罪)です」と知床財団がブログでつづっているように、ごみのポイ捨てや不法投棄は『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』第16条に違反しています。
たとえ荷物になったとしても、ごみを無責任に投げ捨てず、適した処理をしてほしいものですね。
[文・構成/grape編集部]