意見箱に「園内のにおいをなんとかしてほしい」 動物園の園長が、ブログで丁寧に返答
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※写真はイメージ

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- 出典
- 鹿児島市 平川動物公園
さまざまな動物を間近で見ることができる動物園は、幅広い年齢の人たちから愛されています。
ですが残念なことに、来園者の中には『動物のリアル』について、あまり理解していない人も。
においへの指摘に「やむを得ないものです」
2021年5月10日、鹿児島県にある『鹿児島市 平川動物公園(以下、平川動物公園)』がブログを更新。
入園ゲートに置いてある意見箱に寄せられた、「園内のにおいをなんとかしてほしい」という声を受けて、福守朗園長が返事を書いて注目を集めました。
鹿児島市 平川動物公園の入園ゲート
大前提として、「不潔な環境で飼育していることによってにおうのであれば、それはよくないこと」とつづった園長。
続けて、平川動物公園では、飼育員が欠かさず担当エリアの清掃作業を行っていること。清潔にしても残る動物の体臭などは、ある程度やむを得ないことを説明しています。
私たち人という生き物は、話したり読んだり、つまり聴覚や視覚に頼ったコミュニケーションを主にしています。
一方で、においで情報を得たり、伝えたりする生き物も数多くいます。
犬を散歩に連れ出すと、地面に鼻を擦りつけるようにして嗅ぎ、電柱などに尿でマーキングするのを見たことがある方は多いのではないでしょうか?
これはにおいによるコミュニケーションのためなのです。
においによって性別、年齢、繁殖適期であるかどうかなどの情報を伝え合っている動物たち。
園長は、「いわばにおいは動物のプロフィール」なのだと指摘しています。
大切なプロフィールであるにおいを、無臭にすることはできません。
実物に会いに行く意味と、におい
また、テレビや動画配信サイトで動物を見るのと、実物を見た場合の違いについても園長はつづっています。
「画面越しで見ただけでは伝わらないものもある」として、その一例に、においを挙げているのです。
いくら技術が進歩しても、テレビでにおいを伝えることは難しいでしょう。
ですから、実物を目の前にして嗅覚でも動物たちを感じられるのは、「動物園ならでは」なのではないでしょうか。「においも含めて動物たちのことを知ってもらいたい」と考えています。
同じ草食獣でも、キリンとシマウマでは違ったにおいがしますし、同じ類人猿でもオランウータンとチンパンジーではにおいが異なります。
「動物園では見るだけではなく、『嗅ぐ』楽しみ方もある」として、園長はブログの最後をこのような言葉で締めています。
「においがするからイヤ」などといわず、感覚をフルに使い、動物たちの立場に立って理解してもらえたら嬉しいです。
平川動物公園の投稿はネット上で話題となり、園長の意見に肯定的な声が多数上がっています。
・ビックリな意見が来るのですね。無臭の動物園とか怖い…。
・ペットと一緒に暮らしたことのある人は、動物ににおいがあるのは分かってるよ!
・人間も、ほかの動物からしたらくさいのかも。お互いさまです。
・むしろにおいを嗅ぐために動物園に行ってます!五感をフル活用!
・くさく感じる気持ちも分かるけど、それも含めて動物園なんだよね。
においも含めて、動物と向き合うことが大切。
せっかく動物園まで足を運んだのなら、画面越しでは味わえないリアルをしっかりと体感したいですね。
[文・構成/grape編集部]