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動物園でアルパカが急逝 その理由に「知らなかった…」「あまりにもつらすぎる」

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

2021年9月から、リニューアル工事に伴い長期休園をしている、岩手県盛岡市内の動物園『盛岡市動物公園 ZOOMO』。

2023年春の再開予定に向けて準備を進めていた同園ですが、同年4月8日に、ウェブサイトで悲しい告知を行いました。

明かされたのは、2013年から同園で暮らしていた、アルパカであるモコちゃんの逝去。2023年4月5日に、急逝したといいます。

動物園の『アルパカの死因』に悲しむ声

この日、放飼場の点検を終え、モコちゃんとラマ、ヤギを初めてリニューアルした草地放飼場に放飼したという、同園のスタッフ。

最初は広くなった草地放飼場に順応していたものの、夕方の収容時になると、モコちゃんは普段と違う様子で座り込んでいたのだそうです。

スタッフは速やかに獣医や飼育職員を招集し、モコちゃんの治療を開始。しかしモコちゃんは、20時頃に息を引き取ったといいます。

治療の経過や、モコちゃんの死因について、同園はこのように説明を行いました。

“モコ”の症状から異物もしくは有毒植物を食べた可能性が高いと考え、治療開始と同時に草地放飼場を再度点検したところ、有毒植物であるアセビを食べた形跡を発見しました。

“モコ”はアセビ中毒の可能性が高いと推測されたので、毒素を排出させる治療を進めました。それと同時に、当日同じ放飼場に出ていたラマの“ミーチョ”とヤギの“むく”もアセビを食べたことを疑い、寝室内での様子を注視していましたが当日は異常ありませんでした。

“モコ”が亡くなった翌日の4月6日昼前にラマの“ミーチョ”が“モコ”と同じ症状になり、“モコ”と同様の治療をしたところ幸いにも翌日の7日からは回復傾向にあります。また、ヤギの“むく”には現在も症状はありません。

新しい草地放飼場の点検をしたにも関わらず、造成時に強剪定され幹の根元から新芽が出ているアセビを見落としてしまったことが原因で動物の死亡や体調不良となってしまったことを深く反省しています。

盛岡市動物公園 ZOOMO ーより引用

正面入口近くの『お迎え動物』として人気者になり、多くの人から愛され続けてきたモコちゃん。

同園は、再びモコちゃんに会える日を待ち望んでいた人たちに向けて「今後このようなことが二度と起こらぬよう、動物の健康と安全に最大限に配慮して参ります」と謝罪しました。

モコちゃんと絆を深め、日々、愛をもって世話をしてきた同園のスタッフも、つらい思いをしているに違いありません。

経緯が明かされると、ネットではモコちゃんとの別れを悲しむ声や、スタッフの心中を察し、心配する声が上がりました。

アセビの有毒性を再認識する声も

草地放飼場に生えていた、新芽のアセビを口にしたことで、中毒症状を起こしてしまったモコちゃん。

アセビは本州や四国、九州に分布するツツジ科の植物です。薄いピンク色や赤紫色の小さな花が美しい低木ですが、全株に有毒成分が含まれてます。

薄いピンク色のアセビ

赤紫色のアセビ

人間が口にすると、腹痛や嘔吐、下痢、神経麻痺、呼吸困難などの症状に襲われることがある、アセビ。最悪の場合、命を落とすこともあるといいます。

また、誤って口にしてしまった馬が毒でふらつくことから、アセビは『馬酔木』『ウマゴロシ』と呼ばれることも。

民家の庭や公園に植えられている場合もあるため、身近な有毒植物の1つとして有名ですが、植物に関心のない人は知らないこともあるでしょう。

そのため、子供やペットが誤って口にしないよう、全国の自治体や医療機関が注意喚起を行っています。

モコちゃんの逝去を受け、「まさか新芽も危険だなんて」「アセビが有毒だなんて、初めて知った」という声も上がりました。

時折、全国の動物園で「来場者が勝手に動物にエサを与えていた」というトラブルを耳にします。しかし、有毒性の植物が周囲に生えている可能性もあるでしょう。

人間や動物の命を守るためにも、より多くの人が、危険性のある植物についてしっかりと知識を持ちたいですね。


[文・構成/grape編集部]

出典
盛岡市動物公園 ZOOMO

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