「甘いカレーなんて売れない」と反発された『あのカレー』 今も売れ続けるワケとは?
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ハウス食品株式会社(以下、ハウス食品)の『バーモントカレー』は、多くの人に愛されているロングセラー商品です。
では、商品名の『バーモント』は、一体何かご存じでしょうか。本記事では、ハウス食品の協力のもと、『バーモント』の意味や命名の経緯などを紹介します。
『バーモントカレー』は健康法にちなんで付けられた
ハウス食品によると、『バーモントカレー』は、アメリカのバーモント州に伝わる民間療法『バーモント健康法』にちなんで付けたとのこと。なんと民間療法が由来なのだそうです。
では、なぜ『バーモント健康法』にちなんだ商品名を付けることになったのでしょうか。
2023年で60周年を迎えた『バーモントカレー』の歴史をひも解きつつ、『バーモントカレー』が生まれた経緯を見ていきましょう。
『バーモントカレー』が生まれた理由
『バーモントカレー』の開発がスタートしたのは1962年。当時は『カレーは辛くて、大人の食べ物』と認識されていました。
しかし、高度成長期では、家庭の食卓は子供が中心となっていることに着目し、「子供も大人も一緒においしく食べられるマイルドなカレーができないか」ということで、開発を始めたとのこと。
商品を研究開発する際に参考にしたのが、当時の家庭で作られていたカレーです。辛さを抑えるために、バナナやみかんなどの果物をカレーに加えていた家が多かったのです。
そこで、同じようにさまざまな果物や果物エキスを組み合せて新しくカレーを開発。その結果たどり着いたのが、おなじみの『りんごとハチミツ』の組み合せでした。
※写真はイメージ
開発時は『フルーツカレー』と呼ばれていた
ハウス食品によると、当初は『バーモントカレー』という名前ではなく、『フルーツカレー』の名前で開発を進めていたそうです。
しかし、当時『バーモント健康法』というアメリカのバーモント州に伝わる民間療法が話題になっており、これがりんご酢とはちみつを使ったものでした。
そこで、『バーモント健康法』にちなんで、『バーモントカレー』と命名したとのことです。
このような経緯で誕生した『バーモントカレー』は、1963年に販売を開始しました。
当初は「甘いカレーなんて売れないのでは」と反発する声もあったといいますが、店頭での試食宣伝活動やテレビCMの効果もあり大ヒット。しばらくは品切れ状態が続くほどだったそうです。
以降、『バーモントカレー』は『家カレー』の定番となりました。
ちなみに、『バーモントカレー』は2022年12月時点で、累計824億皿を突破したそうです。日本人全員が食べても、1人当たりおよそ670回おかわりできる計算だとか。
これも豆知識として覚えておくとトリビアとして披露できるかもしれませんね!
[文/デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成/grape編集部]