「寒波」「大寒波」「最強寒波」って何? 気象庁に質問してみた結果
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- 出典
- 気象庁
冬の天気予報でたびたび耳にする大寒波や最強寒波という表現。実際にどれくらい寒いのか、どちらがより寒いのか、判然としない人が多いのではないでしょうか。
そんな疑問を解消するべく、この記事では「寒波の種類」や「寒気との違い」、「この冬の寒波の傾向」について、気象庁に聞いてみました。
寒波の種類について
一般的に「大寒波」とは規模の大きい寒波のこと、「最強寒波」とはその冬のもっとも強い寒波を指します。
ただ「大寒波」や「最強寒波」は数値や範囲などのデータで定義された言葉ではありません。『報道機関が作り出した言葉と考えられる』というのが、気象庁の見解です。
実際に、気象庁が公式ページに公開している「天気予報等で用いる用語」には「寒波」のみが記載されています。
そのほかにも「冬将軍」や「クリスマス寒波」などの表現がありますが、それらも同様に市民のあいだで生まれたといわれています。これらは定義こそありませんが、関心を持ちやすい響きのため、多く用いられているのでしょう。
寒波と寒気の違いは
では、寒波は「寒気」とは違うのでしょうか。両者の違いを簡潔にいうと、寒気は「冷たい空気」、寒波は「寒気により寒くなる現象」のことを指します。気象庁は次のように説明します。
「『寒波』は主として冬期に、広い地域に2〜3日、またはそれ以上にわたって顕著な気温の低下をもたらすような寒気が到来することで、『寒気』は周りの空気に比べて低温な空気のことをいいます。寒気が流れ込むことにより気温が下がったり大気の状態が不安定になったりします。冬期だけでなく年間を通して用いる言葉です」
たとえば、上のような典型的な「冬型の気圧配置」では、北西からの「寒気」が流れ込み、列島に「寒波」が押し寄せるとされています。
この冬の寒気の傾向は
今冬の寒気について聞いてみると
「12月は全国的に気温の変動が大きかったと思います。冬型の気圧配置が長続きせず、全国的に寒気の影響が弱くなったようです」
とのことです。今後の傾向については「2024年冬の気温は、今後解析を進め、3月1日公表の冬の天候のまとめに記載する予定です」としています。
2月に入ったとしても「強い寒波」がやってくる可能性は十分にありますので、警戒を怠らないようにしましょう。
気象用語を正しく理解して生活に役立てよう!
寒気の種類はさまざまですが、どれも数値で示されるような定義はありません。〇〇寒気といった言葉に耳をかたむけつつも「気温」や「天候」にも注意を向けることが大切です。
天気予報の情報を正しく理解して寒波に備え、厳しい冬を乗り切りましょう。
[文・構成/grape編集部]