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FCバルセロナの礎を築いたレジェンドが逝く ヨハン・クライフ死去にサッカー界から悲しみの声

By - grape編集部  公開:  更新:

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2015年10月に自ら肺がんであることを告白していたヨハン・クライフ氏(以下、敬称略)が、2016年3月24日、68歳という若さでこの世を去りました。

同日に行われたW杯アジア2次予選のアフガニスタン戦後、会見終了の直前に、日本代表監督のハリル・ホジッチ氏も追悼のコメントを述べられました。

「(クライフ氏は)素晴らしい選手でした。※中略 彼は創造者であり、いろいろなことを現代フットボールをもたらしました。本当に天才でした。深く深く、家族の皆さんにお悔やみを申し上げたい」

ライバルチームの会長もその死を悼む

クライフと言えば、スペインのFCバルセロナで長くプレーし、現役引退後は監督としてもチームを率いました。第一線を退いた後も、ブレーンとして同クラブに大きな影響を及ぼします。

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そんなFCバルセロナとは、犬猿の仲で、ピッチ内外で数えきれない程の衝突を繰り返してきたレアルマドリードも、公式HP上で追悼の意を表明しています。

サッカー界の伝説、このスポーツの象徴と別れを告げることになった。亡くなられたヨハン・クライフ氏の御冥福を御祈り申し上げますとともに、レアル・マドリード、マドリディスモ全てを代表してFCバルセロナ、そしてクライフ氏の妻子に深く哀悼の意を表します。一時代を築いた偉大な選手であり、同氏の訃報に接しサッカー界全体が深い悲しみに包まれています。
フロレンティーノ・ペレス

レアルマドリード公式HP ーより引用

クライフと舌戦を繰り広げてきた現会長フロンティーノ・ペレスが署名入りでコメントを出すことは稀。クライフの死はそれ程までに大きなインパクトがあったということなのです。

名選手だった現役時代

選手としての全盛期が70年代だったこともあり、リアルタイムでクライフのプレーを観た人は少ないかもしれません。しかし、バロンドール(欧州最優秀選手)を3度受賞するなど、自他共に認めるスーパースターだったことは間違いありません。

現在のリオネル・メッシ(FCバルセロナ)を長身にし、より統率力を持った選手だったと言うと分かりやすいかもしれません。

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1974年W杯、対ブラジル戦で見せたジャンピングボレーシュートがあまりにも美しかったため、「空飛ぶオランダ人(フライングダッチマン)」などと呼ばれることも。

そのW杯の決勝で、ヨハン・クライフ率いるオランダ代表と対戦した、かつての盟友フランツ・ベッケンバウアーも自身の公式Twitterで、その死を悼んでいます。

「私はショックだよ。ヨハン・クライフがこの世を去ってしまった。彼は単なる友達ではなく、私にとっては家族同然の存在だったんだ」

ただ、ボールの扱いがうまいだけでなく、エレガントで、知的なプレースタイルで、「ピッチ上の監督」と呼ばれることもありました。

現代サッカーの基盤を創る

選手時代以上に、サッカーに多くの影響を及ぼしたのは監督時代だったかもしれません。90年代はサッカーが今よりも守備的で、身体能力の高い選手が重宝される時代でした。

そんな時代、クライフは「ボール扱いがうまければ、体の大きさは問題ではない」と、当時カンテラ(下部組織)に所属していた1人の痩せた青年をトップチームに昇格させます。その青年がジョゼップ・グアルディオラです。

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現役時代はFCバルセロナで活躍。現在はドイツの名門バイエルンミュンヘンを率い、来期はプレミアリーグのマンチェスター・シティの監督に就任することが内定している名監督です。

他にもクライフは、常識だと思われていたことを次々と否定し、新しい常識をサッカー界に定着させていきます。

世間:走り回る選手が良い選手
クライフ:ボールを走らせろ。ボールは疲れない

世間:勝つためには守備が大切だ
クライフ:90分間ボールを保持して攻めていれば守備をする必要はない

率直な物言いで、敵も多い監督でしたが、それでもクライフの「サッカーを見る目」には、多くのサッカー人が一目置いていました。

この伝えたいことをストレートに、しかもユーモアを交えて表現する能力が抜群に高かったという意味では、イビツァ・オシム元日本代表監督に似ている部分もあるかもしれません。

日本にもクライフイズムを

世代によっては、例えサッカーをやっている人間でも「クライフって誰?」という人がいるかもしれません。

しかし、こんな書き込みやコメントにも、思わず納得してしまう程の功績がクライフにはあります。

「サッカーをやっている人間は、多かれ少なかれ、あるいは意識的か無意識的かに関わらず、クライフの影響を受けていない者はいない」

クライフ亡き後のサッカー界がどうなるかは、まだ分かりません。

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ただ、前述のグアルディオラを筆頭に、クライフの弟子とも言うべき指導者が世界中のクラブで指揮をとっています。

美しく勝つ

クライフが愛し、実践したサッカー観です。

「観客を楽しませて勝利を手に入れる」というクライフイズムを信仰する監督が、日本のクラブや代表を率い、その信念が浸透すれば、日本でもサッカーの人気がもっと高まるかもしれませんね。

ご冥福をお祈り致します。

出典
レアルマドリード公式HP‎@beckenbauer

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