人間力を試される『大片付け』 ものを手放していくことは、執着を手放していくこと
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
大片付けは人間力を試される
いま、大片付け中です。引越しをするたびに荷物の整理ができると言いますが、今の家に住んで34年。
その年月と共に、『もの』が増えに増えました。当時、いくつかインテリア雑誌や女性誌などの取材を受け、「好きなものだけに囲まれて暮らす幸せ」などと言っていた日ははるか。
いつの間にか好きなものは雑多なものに埋もれている……となってしまいました。
本とCDを引き取ってくれる業者から送られた段ボールに、ジャンジャン詰めていく。それでも棚にはぎっしりと本屋CDが残っている。
仕事関係のものが多いとはいえ、これは相当私の意識改革が必要だと思い知らされます。
30年前、本を200冊以上、CDも100枚以上処分しました。そのことを出版社の編集者に話したら、
「吉元さん、結婚するかもしれないですね」
と言われました。彼は物静かで、思慮深い人で、私の原稿について胸に染み入るような指摘をしてくれました。
この仕事で自分は成長できるかもしれない、という思いがありました。大片付けをするたびに、彼のこの言葉を思い出すのです。
ものを手放していく。それは執着を手放していくことでもあります。古い自分の価値観や感情から自分を解放することなのかもしれません。
家の中にスペースを作ることは、心の中にスペースを作ることにつながります。ものにあふれた家の中にいると疲れます。目も疲れる。
『必要がなくなったものたち』が小さな雑音のように家の中に響いている。そんな感じがしてきました。
いつか時間ができたときに、というのは当てにならない。私の場合、ある日突然(もう我慢できない!)というエネルギーが爆発、そして大片付けを始める。
この湧き上がってくるエネルギーが、(まだ使うかもしれない)という迷いを払いのけ、大量処分につながるのです。
さて、今も大片付けの最中なのですが、この原稿を書きながらまだまだ甘い自分に気づきました。
あの棚、あの引き出し。新品だけど使うことはない文房具たち。場所をとっている洋食器のセット。クロゼットの端にかかっている洋服……もうサイズが合わないかもしれない。そんなものたちが次々を頭に浮かんできました。
必要のないものと、コレクションと、思い出の品々。その見極めで人間力を試されます。片付けは勢い。この勢いのまま、「好きなものだけに囲まれた幸せ」を取り戻します!
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」