「煮沸した水道水は、早く使って」 水道局がアドバイス
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※写真はイメージ
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- 取材協力
- さいたま市水道局
やかんや電子ケトルなどでお湯を沸かした際に、お湯が使い切れず残ってしまうことがあります。
この煮沸した水は、いつまでに使い切るべきなのでしょうか。
煮沸すると衛生状態がよくなり、長持ちするイメージがありますが、実際はどうなのか気になるところ。
一度煮沸した水道水の取り扱いについて、さいたま市水道局に取材しました。
水道水は煮沸すると…
――やかんや電子ケトルなどで煮沸した水道水は、早く使い切ったほうがいい?
温度が下がった後は、なるべく早く使い切ることを推奨します。
――なぜ早く使い切ったほうがいいのか?
煮沸して常温程度に下がった水道水は、消毒の効果がある残留塩素が失われ、蛇口から出てすぐの水道水より、雑菌にとって繁殖しやすい環境になっているからです。
蛇口から出てすぐの水道水には、水道法で定められた0.1mg/L(※)以上の濃度の残留塩素が入っており、雑菌の繁殖を抑えています。水道水が病原菌などを含まず、安全にお届けできるのもそのためです。
煮沸には熱による殺菌の効果がありますが、一方で、残留塩素という水道水にとって大切な消毒の効果が失われる面もあります。
※mg/L:ミリグラムパーリットル。水中に含まれる物質の濃度を表す単位。
――水の中で雑菌が繁殖する可能性がある?
はい。雑菌は空気中や容器などさまざまなところに存在しているので、そこから再び簡単に水に混入します。
また、その種類にもよりますが、一般的に雑菌は温度が10~60℃程度の範囲であれば繁殖するといわれています。
したがって、煮沸後に温度が下がった水道水に雑菌が混入した場合、消毒の効果がある残留塩素がなく、繁殖しやすくなります。
――煮沸後の水道水は保管、保存しないほうがいい?
前述のとおり、煮沸後の水道水は残留塩素がなくなり、保存には向きません。
冷蔵庫などの冷暗所で保存すれば、常温で保存するよりは雑菌の繁殖が抑えられますが、それでも長い期間抑えられるわけではありません。
やはりなるべく早めにお使いください。
※写真はイメージ
――煮沸後の水道水を使用する上での注意点やアドバイスを。
「残留塩素がなくなった水道水は、保存方法にかかわらず早めにお使いいただく」ということを実践していただければ、より安全に水道水をご使用いただけると思います。
水道水を煮沸すると残留塩素がなくなり、雑菌が繁殖しやすくなるので、注意が必要です。
使わなかったケトルや、やかんのお湯を次の日にそのまま使うというのは、衛生面を考えると避けるべきですね。
[文/デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成/grape編集部]