「一人暮らしは孤独…」そんな自分との向き合い方
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
『ひとり』と『孤独』を小脇に抱えて
26歳、ひとりで暮らし始めました。
実家から引っ越したその日、手伝ってくれた両親や友達を見送りドアを閉めると、それまで味わったことのない静寂に包まれました。
実家から持ってきたお米でご飯を炊き、母が持たせてくれた梅干しと。
それがひとり暮らし初日の夕食。
作詞の仕事が少し増えてきた頃、親元から独立した解放感と、これからやっていけるのかという少しの不安と。
そして(私しかいないんだ)という「淋しさとも言えない淋しさ」のような思いがうっすらと湧き上がったのを覚えています。
夜、寝ようと部屋の電気を消した瞬間、ふわっと淋しさを感じたものでした。
それはひとりであるという『手触り』でした。
家族ができ、賑やかに暮らすようになり30年。
年を重ね、自分の時間が限られていることをひしひしと感じるようになったとき、昔感じた「電気を消した瞬間の淋しさ」は、『漠とした孤独』を感じさせるものになりました。
今はまだ元気、でも10年後、20年後には今とは違う自分がいるわけです。
老いることへの不安は、孤独感とよく似ているのかもしれません。
もうすぐ94歳になる父を見ていて感じます。
ずいぶん長くいきた自分。
想像できなかった自分を生きていることを日々思っているのではないか。
そして、年々穏やかになっていく父は、そう遠くない時期に終わるのだろうということと向き合いながら生きている。
その心の内を、誰も同じように分かち合うことはできない。
私も想像することしかできないのですが、おそらく父はいま、不安に陥った時期を過ぎ、『穏やかな孤独』の中にいるのではないかと思うのです。
その姿を見せてもらっている。
その道程を私もいつか辿っていくのでしょう。
ただただそんな父に寄り添うだけなのですが、これは私の人生の中でとてつもなく密度の濃い時間を与えられているのです。
喜びもたくさんある。
楽しみもたくさんある。
悲しみも、悔しさも、淋しさも孤独感も、心の中には毎日さまざまな感情が流れています。
結局、そんな自分とどうつきあっていくか。
そこが生きやすさ、生きにくさの分岐点になるのでしょう。
『ひとり』『孤独』を否定的に捉え過ぎないように。
喜びや楽しみを大いに求めていくこと。
私は今自分が感じている『漠とした孤独』を眺めながら、これからの心の変化を静かに楽しもうと思います。
『ひとり』『孤独』を小脇に抱えながら…。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」