通常時は点灯しない? 災害時のみ活躍する『信号機』とは…
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大地震が発生した時に備えて、どこに避難するかを確認しておくことは大切です。非常時は避難場所だけでなく、どのように避難するかも重要ですよね。
2011年に発生した東日本大震災では、車を使って避難する人が多く、大規模な渋滞が発生しました。
人口の多い首都圏で大震災が発生した場合、より混乱が生じることでしょう。
そのような状況に備えた装置があることをご存じですか。
『防災対応型』? 散歩中に見つけたのは…
2025年7月下旬、東京都大田区の海沿いを散歩していた筆者。
信号待ちのついでに周囲を観察していたところ、変わった信号機を見つけました。
何やら信号機に見慣れない言葉が添えられています。初めて見るものに首を傾げながら撮影した写真を、ご覧ください!
さらに写真を拡大してみると、こう書かれていました!
『防災対応型』
「『防災対応型』…って、何?」と思った筆者。
交通量の多い交差点などでは、進んでいい方向を矢印で示す『矢印式信号機』を見かけることがあります。
筆者が見つけた信号機も、設置されている場所から推測するに、矢印が表示されるのでしょう。しかし、しばらく観察してみましたが、一向に表示される気配がありません…。
帰宅後に調べてみると、どうやら『防災型信号機』と呼ばれるものだったようです。
一体、どういった状況で、どのように動くのでしょうか。どうしても気になった筆者は、警視庁に取材することにしました!
防災型信号機について、警視庁に聞いてみた
※写真はイメージ
筆者が発見した防災型信号機は、どのように使われるのでしょうか。
詳しい目的や役割などを、警視庁にうかがいました。
――防災型信号機は、2025年現在、どのような場所に設置されていますか。
2025年3月末時点で、環状道路である東京都道318号環状七号線、東京都道311号環状八号線と、大震災発生時に警察や消防、自衛隊の緊急自動車専用路に指定される場所などの、186か所に設置されています。
――防災型信号機は、どのような目的で設置されたのでしょうか。
震度5以上の大震災が発生した時の、都心方向への交通規制と、交通総量を抑制することが目的です。
それにより、緊急自動車が通る道が確保でき、救出や救助活動といった初期活動が円滑に行えます。
――具体的に、どのように運用されますか。
各交差点に応じて、大震災発生時の交通規制は異なるため、防災型信号機の表示も、それらに合わせて変わっています。
通常の信号機と同様に、一定のサイクルで信号表示が変わります。
また、防災型信号機は、非常用電源装置を併設しているため、停電時にも運用できますよ。
実際に防災型信号機が作動する時は、『矢印式信号機』と同じように矢印が表示され、一般の車両を誘導します。
警視庁
現時点では、震度5以上の地震が発生し、交通規制が実施された時以外の運用は想定されていないとのこと。まさに、大地震に特化したシステムですね。
とはいえ、大震災時には、一般の運転手の協力も必要です。
運転中に大震災に遭遇した場合は、安全に注意しながら道路の左側に停止し、地震と交通に関する情報を確認してください。
車を置いて避難する際は、キーをつけたままドアをロックせず、必要に応じて動かせるようにして、緊急自動車の通行の妨げにならないようにする配慮も欠かせません。
防災型信号機の助けも借りながら、その場にいる人たちで協力して、安全で迅速な避難につなげていきましょう!
[文・構成・取材/grape編集部]