ドコモの絵文字→世界の『emoji』に ニューヨーク近代美術館に収蔵される快挙!
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19世紀以降の現代美術を専門的に取り扱う、『ニューヨーク近代美術館』(以下、MoMA)。
主なコレクションとして、ゴッホの『星月夜』やダリの『記憶の固執』、そしてピカソの『アヴィニョンの娘たち』などがあります。
出典:spatuletail / Shutterstock.com
そんな世界的に有名なコレクションの中に、ドコモの『絵文字』が加わることが、現地時間2016年10月26日に発表され話題を呼んでいます。
開発者の栗田穣崇さんに絵文字開発の経緯やデザインのこだわりなど、お話をお聞きしました。
『シンプル』であることにこだわった絵文字
1999年のサービスが開始された『iモード』開発者の一人として、絵文字を発案しデザインも手がけた栗田さん。
歴史的な芸術家たちと、肩を並べたと言っても過言ではない今回の快挙に、喜びのツイートをしています!
ー開発当初、絵文字を携帯電話の機能として追加しようと思った経緯は何ですか。
当時の携帯電話は、液晶画面が小さくモノクロで、画像も表示できず、メールの文字数も最大全角250文字と少なかったです。
そんな貧弱な表現能力を補うためのアイディアとして絵文字を発案しました。
続けて、栗田さんはこうも語っています。
絵文字を使うことでユーザーに見やすくわかり易いコンテンツを提供すること、メールに感情を付与することでより円滑なコミュニケーションを実現することを目的として開発しました。
ー絵文字をデザインするにあたって、意識した点はありますか。
12ドット×12ドットという非常に限られた枠の中で絵文字をデザインするにあたり、誰が見ても意味を認識できる記号性を重視しました。
また、絵文字が感情表現として使われることを想定して、ハートマークや喜怒哀楽といった顔のバリエーションを増やしました。
当時、ドコモの絵文字は大きなブームとなり、それに伴って他社も絵文字機能に力を入れていきました。
auは可愛らしいデザインで絵文字の数を増やし、ソフトバンク(当時はJ-PHONE)は動く絵文字で、ドコモとの差別化を図りました。
ドコモは2002年に、75種類の絵文字を新たに追加しました。そこでも栗田さんは確固たるこだわりを持ってデザインをしていたと語ります。
私は絵文字はあくまで「絵」ではなく「文字」の延長線であり、文字を補足するものだというコンセプトがありました。
他社のように絵文字のデザインをリッチにしたり、動かすといったようなことはせず、ドコモの絵文字で表現に足りない絵文字の数を増やす、ということでサービスの向上を行いました。
ドコモの経営陣からも、他社のように絵文字のリッチ化はリクエストがあったそうです。
しかし、栗田さんはあえてそうしませんでした。
リッチ化することで、絵文字に対する好き嫌いが生まれることは本意ではなく、あくまで最初の絵文字のシンプルなテイストを貫きました。
そうした開発秘話をもつ絵文字は、今や『emoji』と呼ばれ、世界中で使われています。
ーここまで絵文字が定着した理由は何だと思いますか?
文字を打つよりも入力が容易で、端的に分かりやすく表現することが可能な絵文字が非常に便利だった、と言うことに尽きると思います。
加えて、アルファベット言語圏は日本のように表意文字がなく表音文字なので、一文字で表現することがとても新鮮だったということもあるかと思います。
当時のドコモユーザーからも喜びの声が!
『iモード』開始は、今から約17年前のことです。当時ドコモユーザーだった人たちからは、喜びの声が多数寄せられています。
また、MoMAは公式ブログで、絵文字の収蔵にあたって以下のようなコメントを発表しています。
ドコモの絵文字を見ると、懐かしさで胸がいっぱいになり、日本の絵文字文化が世界に認められたことを誇らしく思えます。