ペットショップで猫を買う前に 『猫の譲渡会』を知って多くの命を救って
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「定時で帰ります」 そのワケに「上司も納得」「いや、早退しよう」「かわいい猫ちゃんが待っているので、定時で帰ります」投稿した写真が、反響を呼んでいます!
愛猫に術後服を着せたら? 翌日の姿に「吹きました」「最高です!」猫の茶々くんと暮らす、飼い主(@KomoChibo)さん。 お腹を舐め過ぎた結果、毛が禿げてきてしまった茶々くんに、飼い主さんは、手術を受けた後などに着用する『術後服』を着せることにしました。初日は、嫌がっていた茶々くんでしたが…。
- 取材協力
- ミャオ!ねこのおうち譲渡会
環境省の発表によると、日本国内で2015年度に殺処分された猫の数は67,091頭。目をそむけたくなる数字です。ですが10年前にさかのぼり、2005年度の数字を見ると、226,702頭もの猫が殺処分されていました。
ゼロになるのにはまだほど遠い数字ですが、毎年、処分される猫たちの数は減っています。
その背景のひとつには、猫たちの命を守るために活動を続けるボランティアの方たちの存在があります。
猫の譲渡会
2017年1月8日、東京・銀座でこんな会が催されました。
『ミャオ!ねこのおうち譲渡会』
保護された猫たちの新しい家族…『里親』を探すための会です。
この譲渡会に参加した猫たちにはそれぞれに事情があり、保護主の元にやってきました。野良の母猫から生まれて、命の危険にさらされていた子猫。多頭飼育していた飼い主が育てきれなくなり、手放された猫。それぞれのケージには、猫たちの特徴や保護された経緯などが表示されています。
11時の開場とともに、たくさんの来場者がやってきました。あっという間に会場内には人だかりができました。
子猫の里親になるのは簡単ではない
家族を待っている猫たちはまだ小さな子猫から、成猫までさまざま。多くの来場者のお目当ては、やはり小さくて可愛らしい子猫たちです。
「この子を家族に迎えたい」と思ったら、それぞれの猫たちの保護主に申し出ます。『ミャオ!ねこのおうち譲渡会』では、里親になれるのは先着順ではありません。
住居は戸建てか、マンションか、広さはどのくらいか。家族構成は、家が留守になる時間はどのくらいか。
猫の年齢や性質によって、里親になれる条件は違います。
特に、まだ生まれて間もない子猫の里親になるのは簡単ではありません。この日も、まだ2ヶ月の子猫のきょうだいに里親希望者が殺到していました。
保護主は、里親の希望者全員から事情を聞き、どの家族に猫を譲るかを決めます。家族4人で会場を訪れていたある希望者に、このように語っていました。
この真冬の時期にまだ2ヶ月の子猫ちゃんが保護されるのは、とても珍しいことなんです。
そして、育てるのはとても大変です。
里親になってください、ということになったら私どもが車でご自宅まで猫を連れて行きます。でも、子猫はすぐ車酔いしてしまうんです。
ごはんが食べられなくなるし、食べても吐いてしまったりします。そうすると、すぐに動物病院通いです。
お子さんは学校でしょう、旦那様はお勤めですね。奥様はパートですか、お休みすることはできますか?
人間の赤ちゃんと一緒です。具合が悪くなったら、夕方病院に行けばいいや、じゃありません。
すぐに連れて行かないと、命にかかわります。
「パートはシフトを替われると、思うのですが…」里親になることを申し出た女性は、少し不安げに答えていました。
室内で飼われている猫の寿命はだいたい15年と言われています。子猫から飼い始めるとまる15年、家族として暮らすことになります。途中で事情ができたから手離す、なんてわけにはいきません。
保護主は、せっかく家族を見つけた猫が再び不幸な目に遭わないよう、終生大事に育ててくれる里親を慎重に選んでいるのです。
『ミャオ!ねこのおうち譲渡会』の活動
『ミャオ!ねこのおうち譲渡会』は不幸な猫が増えないためのボランティア活動を行っています。活動の中心は、不妊去勢手術(TNR)です。
TNRとはT(Trap:捕獲器で保護する)N(Neuter:不妊去勢手術する)R(Return・Release:元の場所に戻す)という意味です。さらに、おうちのない猫たちに素敵な家族ができるよう、都内で譲渡会を開催しています。
この日も、新しい家族に出会えた猫たちが! 里親になった家族も猫の保護主も、とても素敵な笑顔です。子猫たちはまだ少し緊張している様子。
ですが、一回の譲渡会ですべての猫たちの里親が決まるわけではありません。今も、暖かいおうちを探している猫たちがたくさんいます。
不幸な猫たちをゼロに
猫を飼いたいと思っている方は、ペットショップで購入するのではなく、保護された猫を引き取る選択肢を考えてみてください。
ボランティアの方が保護できる猫の数には限りがあります。誰かが猫の里親になることで、ひとつ枠が増え、別の家を持たない猫が保護されます。
そうして、だんだんと不幸な猫が減っていきます。近い未来、殺処分される猫が0匹になる日が来るように、ぜひ『譲渡会』をまだ知らない人に教えてあげてください。
譲渡会の開催情報は、『ミャオ!ねこのおうち譲渡会』のWebサイトに掲載されています。
『ミャオ!ねこのおうち譲渡会』
[文/grape編集部]