亡き妹への思いをつづった、お兄ちゃんの作文 涙なしでは読めない
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みなさんは、家族への感謝の気持ちや家族への思いを日ごろから面と向かって伝えていますか。
「家族」をテーマに書いた、小学1年生の男の子の作文が、ネット上で注目を集めています。
てんしの妹
新潟県柏崎市の小学校に通う、小学1年生の松橋一太くん(2016年11月当時)。
彼は妹に対する思いを作文でつづりました。「涙なしでは読めない」「小学1年生と信じられないほど、深い思い」と話題になっている『てんし の いもうと』という作文をご覧ください。
てんし の いもうと
新潟県 1年 松橋一太
僕には、てんしの妹がいます。
夜中、僕は、お父さんと病院の待合室に座っていました。隣にいるお父さんは、少しこわい顔をしています。いつも人でいっぱいの病院は、夜中になるとこんなに静かなんだなあと思いました。
少したってから、目の前のドアが開いて、車いすに乗ったお母さんと看護師さんが出てきました。
僕が車いすを押すと、お母さんは悲しそうに、歯を食いしばった顔をして、僕の手をぎゅっと握りました。
家に着くころ、お空は少し明るくなっていました。
僕は1人っ子なので、妹が産まれてくることがとても楽しみでした。お母さんのお腹に妹が来たと聞いてから、毎日、ぬいぐるみでおむつがえの練習をしたり、妹の名前を考えたりして過ごしました。
ごはんを食べたり、おしゃべりしたり笑ったり、公園で遊んだり、テレビを見たり、いままで3人でしていたことを、これからは4人でするんだなあと思っていました。
でも、春休みの終わり、トイレでぐったりしながら泣いているお母さんを見て、これからも3人なのかもしれないと思いました。さみしくて、悲しかったけど、それをいったらお父さんとお母さんが困ると思っていえませんでした。
ぽかぽかの暖かい日、僕たちは、善光寺さんへ行きました。妹とバイバイするためです。初めて4人でおでかけをしました。
僕は、妹が天国で遊べるように、おりがみでおもちゃを作りました。
「また、お母さんのお腹に来てね。今度は産まれてきて、一緒にいろんなことしようね。」
と、手紙を書きました。
僕は、手を合わせながら、僕の当たり前の毎日は、ありがとうの毎日なんだと思いました。
お父さんとお母さんがいることも、笑うことも、食べることや話すことも、全部ありがとうなんだと思いました。
それを教えてくれたのは、妹です。
僕の妹、ありがとう。
お父さん、お母さん、ありがとう。
生きていること、ありがとう。
僕には、てんしの妹がいます。
大事な大事な妹がいます。
※原文は、すべてひらがな
松崎くんの純粋な思い、やさしい気持ちが伝わる『てんしの妹』は、朝日学生新聞社主催の『いつもありがとう作文コンクール』で最優秀賞に選ばれました。
自分にとって当たり前でも、ほかに人にとってはそうではない場合もあります。松崎くんの妹のように、当たり前の幸せを手にする前に、天国へと旅立ってしまう人もいるのです。
だからこそ、当たり前を支えてくれるすべてのことに感謝する気持ちを忘れずにいたいですね。
「僕の当たり前の毎日は、ありがとうの毎日」という言葉が、胸に響きます。
[文・構成/grape編集部]