老舗旅館『ホテルおかだ』がAI導入で利用客アップ!
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- 出典
- Oracle Japan
ついに老舗旅館までAI(人工知能)を導入を始めたというニュースが飛び込んで参りました。
創業63年の箱根湯本にある温泉旅館『ホテルおかだ』では、一時は予約客の7割が団体客を占めるほどの人気旅館でしたが、最近では、個人での予約が多くなったことで、旅行代理店を介さず直接のオンライン予約に変わってきたことで、旅行代理店による団体予約だけではやっていけなくなってきていたそうなんです。
そんな中、『ホテルおかだ』のウェブサイトで、AI搭載のFAQシステム(問い合わせ対応)を導入すれば、ウェブサイトへの集客を増やすことができ、個人の予約率もアップするのではないかと、2017年5月から対策を始めました。
工夫したことは、まず、『ホテルおかだ』のウェブサイトでは『よくあるご質問』として約100の質問・回答などの様々なアンケート情報をAIに学習させたんだそうです。
これによってウェブサイトに訪問するお客さまが事前に知りたいことを分析し、旅館側から質問をまとめたページとは別に、『客室』や『温泉』『料理』などのページに、ページ毎に異なるお客様の疑問点を『よくあるご質問』として掲載し、さらによく見られる質問を自動的に上位掲載するなど、先回りして旅館のウェブサイトに提案を出すようにしてみたんだそうです。特に英語版ウェブサイトにも同様の機能を取り入れ効果をあげています。
調べてみると、ウェブサイトを閲覧する人の42%が予約センター稼働時間外(稼働時間は9時~19時)に来ているということがわかり、電話でのきめ細かな対応ができていない時間帯に、そもそも旅館そのものの情報すら知らないお客様がウェブサイトには多く存在する、と考えたそうなんです。
でもそういったお客様は当旅館に宿泊したことがない人がほとんどなので、自ら質問は出てこない。だったらこれらをそのままにせずに、こちらからお客様にあった提案をAIで創り出すなど、知りたい情報を先回りして提案できれば、旅館に興味を持ち、さらには宿泊の申込みにまで持ってこれるのではないかと考え、それが見事に当たったということです。
ちなみにこうしたお客様の質問(検索)に対して回答がマッチしていたかを分析・調整を行っていく汎用のシステムとして大活躍なのがオラクルの『Oracle Service Cloud』。
オラクルによれば、『Oracle Service Cloud』は人工知能による質問の予測や回答検索の最適実行により、問い合わせ内容を分析、最適な回答がエージェントにより自動提示され、解決時間の短縮を支援する汎用ソフトウエアという形で各企業に提供。Webを通じて、顧客にナレッジ(企業の知恵や知識)を公開することで、顧客自身の自己解決率を高め、問い合わせ件数の削減を実現。
そして、WEB、メール、携帯電話、チャット、画面共有(Co-Browse)、コミュニティ、ソーシャルメディア(Twitter, Facebookなど)のあらゆるチャネルからの問い合わせを一元管理し、全ての対応チャネルにおいて、一貫性のある顧客対応を提供できるマルチチャンネルにも対応しているとのこと。
いまではさまざまな分野の問い合わせサービスに、AIを導入している企業が増えて来ていますが、こうした伝統のあるサービス分野にもAIは欠かせなくなってきているんですね。
[文・構成 土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。