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『ウォーリーをさがせ!』を顔認証AIが試してみると… そのスピードに驚いた!

By - 土屋 夏彦  公開:  更新:

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ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。

ウォーリーを探せるAIロボットが登場!?

最近は人工知能(AI)の進化で、監視カメラなどによる顔の認識技術がどんどん高性能になっていますね。

アメリカではその顔認識技術を応用して、なんと絵本の『ウォーリーをさがせ!』を見せると、自動的にお目当てのウォーリーを探してくれるウォーリー認識ロボット『ワルドー(Waldo)』が誕生しました。(ワルドーはアメリカでのウォーリーの呼び名のことです。)

『ウォーリーをさがせ!』(Where’s Wally?, 北米版タイトルは Where’s Waldo?)とは、1987年にイギリス人イラストレーター、マーティン・ハンドフォード氏によってイギリスで出版された絵本のこと。人が入り乱れた絵の中からウォーリーや仲間たちを見つけ出す絵本として世界累計発行部数6000万部を超えるベストセラーになりました。

このウォーリー認識ロボット『ワルドー(Waldo)』は、アメリカのとある広告会社が『ラズベリーパイ』と呼ばれるクレジットカードほどの大きさのミニコンピュータに、ロボットアームを取り付けて制作した簡単なもの。大きさは小さくとも、人工知能による顔認識技術を応用して、ウォーリーの画像を大量に読み込ませ、システムに学習させると、なんと最速5秒以内に95%以上の確率でウォーリーを発見できるそうです。

今年は、1987年の誕生から30周年ということで、それを記念した『ウォーリーをさがせ!』の絵本原画展が東京、横浜、大阪、名古屋で行われています。

※ 東京、横浜はすでに終了。大阪では2018年10月10日(水)~10月30日(火)大丸梅田店15階会場にて開催。名古屋では2019年3月9日(土)~4月7日(日)松坂屋美術館にて開催されます。

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会場では、日本初公開の絵本原画約50点をはじめ、計約150点の作品を展示。本展のための限定アート“Anniversary Ball for Japan”や、日本人アーティストが制作した新作アートなども楽しめたり、展覧会オリジナルグッズ400アイテム以上を販売しています。

ちなみに『顔認証技術』では先日、2020年の東京オリンピックでの関係者の入場方法に『顔認証システム』を採用したという話題もありました。

8月7日のNECからの発表によれば、この『顔認証システム』では、NECの生体認証の中核技術となる『バイオイディオム(Bio-IDiom)』から、世界No.1の認証精度を有するといわれる顔認証AIエンジン『ネオフェイス(NeoFace)』を活用して、顔とIDカードを組み合わせた厳格な本人確認を実現。NECは、顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響などさまざまな分野での生体認証技術を有しており、これまで70以上の国や地域に700以上のシステムを導入。中でも顔認証技術は、世界最高の精度と照合スピードを誇るということで、その精度たるやわずか0.3秒で160万件におよぶ顔写真データベースと照合することができるとあります。

発表会でのデモでも、立て続けに人が顔認証で入場する様子が紹介され、人間が目視で4人確認する間に、顔認証システムでは10人の確認、通過ができたということで、即座の顔認証とスムーズな対応が可能であることが証明されたそうです。

『顔認証システム』を活用するのはオリンピック、パラリンピック競技大会では東京が史上初となるそうですが、こうした実用的なシステムにおいて、一般の理解を深めるには時間がかかります。

その一方、ウォーリー認識ロボット『ワルドー(Waldo)』ですが、動画を見ると、絵本を開いて数秒間見せただけで、ロボットの指先がピタッとウォーリーを指し示す動きがなんとも可愛らしく、自分でも作ってみたい、やってみたいとなるわけです。

つまりこうしたエンターテインメントでの顔認識技術の応用が広まることが、入場システムなど実用的なサービスへの大きな橋渡しにもなっていくのではないかと思います。


[文・構成 土屋夏彦]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

出典
There's Waldo is a robot that finds Waldoウォーリーをさがせ!生誕30周年NEC東京2020スペシャルサイトTHERE’S WALDO! FINDING THE ELUSIVE TRAVELLER USING AI

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