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これは待ち遠しい!走りながら自動的に車の充電をしてくれる道路が実験中

By - 土屋 夏彦  公開:  更新:

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ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。

走りながら車の充電をしてくれる道路が誕生!?

世界では自動運転車の走行実験などがさかんに行われていますが、自動運転車は基本的に電気自動車(EV)なので、ガソリンを給油するのと同じように『給電』(電気の供給)が必要になります。

日本でも、日産リーフなど電気自動車の充電(給電)場所は、充電スタンドなどという名称でまちなかや高速道路に設置が進んでいますが、ガソリンスタンドほどは数がないのが現状ですよね。

そんな中、スウェーデンでは、充電スタンドを普及させる前に、なんと走行中に自動で充電できてしまう道路=給電路(electrified road)を作ってしまいました。

場所はストックホルムのアーランダ空港から倉庫エリアまでの約2kmの道で、アスファルト道路の真ん中にレールが埋め込まれていて、クルマは走行中にアームを降ろして充電しながら走れるようになっているそうです。

このプロジェクトの最高経営責任者のハンス・サル(Hans Säll)氏によれば、スウェーデンにはおよそ50万kmの道路があり、そのうち2万kmが高速道路。この2万kmの高速道路すべてに給電レールを敷くだけで、スウェーデン全土を網羅できるそうです。

その理由は、スウェーデンにおける高速道路と高速道路の間は45km以上離れた場所がないそうで、電気自動車が充電できずに高速道路以外を走行しても、45km程度ならすぐに高速道路に戻れるため、電気がなくなることは考えられないというわけです。

つまり高速道路さえ給電路にしてしまえば、スウェーデンのすべての道路を充電の心配せずに走行できるようになるというわけなんです。さらに何人かの人は、そういったトンチを効かせれば、5千kmに給電レールを敷くだけでも十分だろうといっているそうです。

ちなみに給電路は50メートルごとに分割されており、個々のセクションで車両がその上にある時にのみ給電されるようになっているため(車両が停止すると、電流は遮断)、この給電路はそれぞれの車両のエネルギー消費量を算出することができ、車両とユーザーごとに電気料金の徴収をも可能にするそうです。また、現在道路脇に設置された充電スタンド(給電ポスト)とは対照的に、車載のバッテリーコストが製造コストとともに安くなることも予想されるそうなんです。

ちなみに電車や都電などは、走行中に給電しながら走れますよね。それを自動車でもやってみようということなわけですが、サル氏によれば、1kmあたり1ユーロのコストで給電路を敷くことができ、これは都電を設置するのに必要なコストの50分の1で済むそうです。

これまでもイギリスなどはガードレールから給電する実験が行われるなど、電気自動車の給電については各国でいろいろ進められているのですが、スウェーデンが本気なのは、スウェーデンが2030年までに化石燃料からの独立を宣言していること。

そのために、運輸部門の化石燃料需要の70%削減を掲げており、国の全土で給電路が使えるようにすることでそれが達成できると信じているからです。

さらにサル氏は語ります。

「この給電路がすごいのは、地面に電気が流れているわけではないこと。壁のコンセントのように、2つの溝が地面に掘られ、地面の5〜6センチメートル下に電気が流れているだけなのです。しかも、塩水などで道路が冠水しても、表面の電気レベルはわずか1ボルト程度で収まることが分かっています。あなたはそれを素足で歩くことだってできますよ。」

将来的には、世界各地でこういった給電路が採用されていくのか、大きな可能性を感じざるを得ません。


[文・構成 土屋夏彦]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

出典
How world's first electrified road charges moving vehicles

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