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『春の小川』2番の歌詞に込められた思い出の景色

By - 押阪 忍  公開:  更新:

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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。

ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独り言』にお付き合いください。

あなたの一押しの春の景色は?  アナウンサー押阪忍の『美しいことば』

花咲き鳥唄う春爛漫の季節です。あなたはどんな春を楽しんでいらっしゃいますか?

百花繚乱といいますが、咲き誇る花たちでしょうか? あるいは、春の七草ではありませんが、ワラビやタラノメなど、山野の新芽の賞味でしょうか?ボクはどちらかというと花派です。

ところで、あなたの一押しの春の景色は、どんな風景でしょうか? ボクは少年の頃遊んだ、童謡『春の小川』の景色が、今もって忘れられない1番手なのです。

文中ですが「春の小川」を載せさせていただきますと…

春の小川は さらさら行くよ
岸のすみれや れんげの花に
すがたやさしく 色うつくしく
咲けよ咲けよと ささやきながら

『春の小川 文部省唱歌』 ーより引用

この1番の歌詞は、女の子がよく歌っていましたねぇ…。ボクの春の景色は2番なのです。

春の小川は さらさら行くよ
えびやめだかや小ぶなのむれに
今日も一日 日なたでおよぎ
遊べ遊べと ささやきながら

『春の小川 文部省唱歌』 ーより引用

春の小川のあぜ道には、ツクシやワラビやタンポポが顔を出していましたが、さらさら流れる透き通った小川の流れの中で、あちこちで泳ぎまくるエビやメダカやコブナやタナゴなど、小魚の群れを見つけるのが、ボクの1番の楽しみでした。

いまの都会の子どもたちには想像も付かない光景と体験でしょうねぇ…。

花と緑の山野の中で、薄紫色のレンゲが1面に咲き乱れる田園風景…。ボクの心の中に今もって色鮮やかに残る日本の春の景色をきょうはご紹介しました。

まだ残るであろう農村の小川で、スマホのアプリやVR(バーチャル・リアリティ)で育っているいまの子どもたちに体験させてあげられないものかと願っております。

<2018年4月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2018年現在、アナウンサー生活60年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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