これはきづかない!AIが電話で美容院を予約 アドリブを聞かせたスムーズな会話に衝撃
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ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。
お店の予約もGoogleアシスタントが代わりに!
Googleが開発者向けに毎年行っている「Google I/O」の 2018年度イベントが5月8日から10日に渡ってアメリカのカリフォルニア州マウンテンビューの本社向かいにあるアンフィシアターで行われ、今年はその中で誰もが驚くデモンストレーションが公開されました。
それが「AI(人工知能)によって電話で美容院やレストランを予約する」というものです。
今回公開したのはGoogleが誇るAIモジュールのGoogleアシスタントに自動的に会話ができる新機能『Google Duplex(デュプレックス)』が加わったことで、AIが音声認識によって人間の言葉を理解し、その言葉から会話の文脈を理解し、返答をリアルタイムに作成して音声合成に載せて会話を成立させるというものだそうです。
AIと美容院スタッフのその自然な会話はこちらからお聴きください。
AIによる予約の様子
応対の様子は動画の36分15秒あたりから。
会話部分を文字に起こしてみると…。
着信音:
プルルルル…
美容院(人間):
「はい、もしもし」
AI:
「クライアントの依頼でカットの予約をしたいのですが、5月3日の予約はできますか?」
美容院:
「はい、少々お待ちください」
AI:
「ええ」
(AIが人間のように相づちしたため、会場から笑い声があがる)
美容院:
「大丈夫です。何時頃がご希望ですか?」
AI:
「12時は?」
美容院:
「12時は空いてません。近い時間だと1時15分なら空いています」
AI:
「10時から12時の間では、空いていませんか?」
美容院:
「お客様のご希望にもよりますが」
AI:
「とりあえず、カットのみです」
美容院:
「でしたら10時が空いています」
AI:
「10時で大丈夫です」
美容院:
「下の名前をうかがえますか?」
AI:
「リサです」
美容院:
「これで大丈夫です。5月3日10時にリサさんをお待ちしています」
AI:
「ありがとう」
美容院:
「ご予約、ありがとうございました」
Googleによれば、自然な会話を行うにはいくつかの課題があったそうです。自然言語は理解しにくく、自然な振る舞いはモデル化するのが難しく、待ち時間の予測には高速処理が必要。さらには適切なイントネーションで自然な発音で会話を成り立たせることは極めて困難なテクニックが必要なんだそうです。
例えば、人間同士がお互いに話す時には、コンピュータと話す時以上に複雑な言葉を使っているという特徴があり、自然な発声をするために、人間は機械に話す時よりも速くはっきりと話すという特徴もあるんだそうです。そのため音声認識技術もレベルアップさせる必要があったんだそうです。こうした技術改革をすすめることによって、ここまで自然な会話のできるAIに育ってきたということのようです。
この技術が完成し、完璧な自然会話ができるようになることで、今後は、言葉の通じない国でも手軽にAIを使ってレストランやホテルの予約ができるようになり、ビジネスシーンでの面会予約や病院の予約などを自動化することで多くの人々の時間の節約や効率化につながると、Google CEOのサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏は語ったということです。
いまから10年以上前に、私がラジオ番組の制作に携わっていたころ、番組の目玉企画として、ロボットの声で蕎麦屋の出前を取ってみるということをやったことがありました。
その時は、ロボットの声で作られた会話言葉を、幾つかに分けて、例えば「もしもし」「お蕎麦屋さんですか?」「ざるそば3つお願いします」「どのくらい時間がかかりますか?」「お待ちしています」などをそれぞれサンプリングマシンに貼り付けて、蕎麦屋に電話したあと、相手の会話に応じて、あくまで人間(当時の番組パーソナリティ)が臨機応変に発音させていました。それでも見事ざるそば3つ注文することができて、とても感動したことを覚えています。
いまや、それが本当の自動的な会話でできる時代にまでなったと思うと、時代の進歩のはやさに感動せざるを得ません。
[文・構成 土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。