アナウンサーが使う「そうなんですねぇ」が気になる
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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独り言』にお付き合いください。
気になる「そうなんですねぇ」 アナウンサー押阪忍の『美しいことば』
この新年のこと、或る早朝10キロマラソンでシニアの部で優勝した熟年の男性が、リポーターのマイクに向かって「いやー、3回目でついに優勝しましたぁ」と喜びの表情で答えていましたが、リポーターは「そうなんですねぇ おめでとうございます」とサラッと受けて喋っていました。
私が気になるのは、昨年あたりから俄然増えている「そうなんですねぇ」という初めての返答に対する聞(聴)き手の言葉の遣い方なのです。
お互いにその内容・事柄を知り合っているのなら、聞き手が「そうなんですねぇ」でもいいのですが、初めて聞く受け手の言葉としては、当然「そうなんですか?」の驚きなり称賛なりの『か』がつくのが本来の聞き方だと思うのです。
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「そうなんですねぇ」ですと相手の話の内容を自分も知っている応答ですから、聞き手からは驚きも感激も伝わってきません。
先日も「あの猛毒のヒアリが日本各地で生きているそうです」という報道に「そうなんですねぇ、知りませんでした」と応えていたアナウンサーがいました。
この事実を聞く人は、初めてのことですから「え~?そうなんですか?」と、自然に『か』の字が口について出て来るのが普通であり、自然の感情の流れだと思うのですが…。
何故かこの1年、疑問なり驚きなりの『か』の字が抜けて、納得や認知の『ね』の字に変り、「そうなんですねぇ」の表現に移り変わって来ているように思えるのです。
“食べれる、着れる、見れる”などの『ら抜きことば』や、“いいかなみたいな”曖昧な言葉遣いも気にはなりますが、「そうなんですねぇ」だけは、早めにその蔓延を抑えたいと願っている きょうこの頃でございます。
<2018年2月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2018年現在、アナウンサー生活60年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。