自宅のベッドで溺れた少年 子どもに忍び寄る「乾性溺水」の怖さとは
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夏のレジャーで、海や川・湖などでの”水遊び”を予定している人。特に、身近に小さなお子さんのいる人には知っておいていただきたいことです。
思いもよらない水難事故について、まだまだ知らなければならないことはたくさんあります。
自宅のベッドの上で”溺れた”少年
2013年6月5日。アメリカ・サウスカロライナ州に暮らしていた10歳の男の子ジョニー・ジャクソン君は、母親のカサンドラさんと一緒に市民プールで楽しく遊んでいました。
出典:YouTube
歩いて自宅に戻ってから、お風呂に入ったジョニー君。その後は「眠たくなっちゃった」と言って、お昼寝を始めます。
しかし、その1時間後…。
カサンドラさんは、変わり果てたジョニー君の姿を目にしました。
叫ぶように…ジョニー君の名前を何度も何度も呼んでも、反応はありません。
ジョニー君の顔はスポンジのような白い泡に覆われ、ベッドの上で”溺死”していたのでした。
人間の自己防衛機能から起こる症状
ジョニー君の命を奪ったのは「乾性溺水(Dry Drowning)」と呼ばれる現象でした。
つまりは、飲み込んだ水が気管に入りそうになり、肺に水を入れないように、のどが蓋をしてしまうことで、息ができなくなるのです。
出典:YouTube
この「乾性溺水」が恐ろしいのは、スプーンたった1杯の水でも起こる可能性があること。そして、プール以外でも海や湖…どんな状況においても起こりうるということです。
すべての水死事件の1/100程度という確率ではありますが、小さな子どもの間ではその確率は上昇。一般的に起こり得るとても危険な事故であるにも関わらず、現状あまり広くは知られていません。
乾性溺水の恐怖
カサンドラさんはプールで遊んでいる時にも、自宅まで歩いて帰っている時にも、ジョニー君に「変わった様子はなかった」と言います。
出典:YouTube
しかしたった1つだけ、ジョニー君が”溺死”につながる症状を訴えていました。
それは、眠気。
「乾性溺水」の主な症状として、眠気・過敏性・呼吸困難・けいれんなどが挙げられます。
症状が出始めると、無呼吸状態が8~10分ほど継続。この間に的確な処置を行えれば90%近くが蘇生すると言われていますが、これを過ぎると予後は悪化していきます。
一方、プールなどで目いっぱい水遊びをした子どもが、疲れてお昼寝をする…。この行動自体に、特別な異変を感じ取る要素はほぼありませんよね。
たっぷり遊んで体力を使えば、眠くなるのも当然のこと。よく寝てくれれば安心してしまうものでしょう。
水遊び後は、いつもより少しだけ注意深くお子さんの様子を見るようにしてください。そしてもし、少しでもおかしな兆候を見せていれば、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。