立秋を過ぎても尚、猛暑日続き 『風の音』に四季の移ろいを感じる By - 押阪 忍 公開:2019-08-17 更新:2019-08-17 エッセイ押阪忍 Share Post LINE はてな コメント こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。 ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。 立秋を過ぎても尚、猛暑日続き 日本列島が甲子園球場の高校野球を応援しています。昨年は大阪桐蔭高校が優勝しましたが、決勝戦まで4連投の秋田金足農業の吉田輝星投手が話題となり、秋田ブームを巻き起こしましたね。 さて今年は、どの高校のどの選手が注目を集めるのでしょうか…。甲子園代表校の地元は目が離せませんよね。汗と笑顔と涙の熱闘甲子園、グランドの上の土は、40度を超えるといいます。選手に熱中症が出ないことを願いながら、熱く応援したいと思います。 ところで、35度以上の猛暑日が珍しくなくなったこの夏ですが、暦の上では今年は、8月8日が『立秋』でした。立秋からは『残暑見舞い』ですが、今年は似つかわしくありませんねぇ…。でも8月8日が立秋となると、朝晩そろそろ、秋の気配を感じてもいい頃ではありますね。 「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」 古今集に収められている藤原敏行が立秋に詠んだ和歌ですが、「おどろく」というのは、かなり誇張されてはいますが、「気づく」という意味です。涼風の初秋を待つ気持ちをさらりと表現したいい歌だと思います。 情報通信時代、パソコン、スマホに身を縛られている現代ですが、目ではなく耳で知る。『風の音』に四季の移ろいを感じるこの古人(いにしえびと)の繊細な感覚を、AI時代を迎える今でも どこかに残して置きたいと思うのですが…。余りにも花鳥風月、山川草木に片寄り過ぎているでしょうかねぇ…。 夏草と 見し間に 秋の初風や 青々 <2019年8月> フリーアナウンサー 押阪 忍 1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2019年現在、アナウンサー生活61年。 日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。 森口博子、タクシーに乗って行き先を告げたら運転手が…?タクシー運転手の対応に反響が上がりました。タクシーに乗車して、目的地を告げると…? GACKT「キミは誰かから嫌われてない」 続く言葉に「腑に落ちた」「心が軽くなった」の声GACKTさんが、心のバランスを崩しそうな人へ送った言葉は?ネット上で反響が上がっています。 Share Post LINE はてな コメント
こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。
立秋を過ぎても尚、猛暑日続き
日本列島が甲子園球場の高校野球を応援しています。昨年は大阪桐蔭高校が優勝しましたが、決勝戦まで4連投の秋田金足農業の吉田輝星投手が話題となり、秋田ブームを巻き起こしましたね。
さて今年は、どの高校のどの選手が注目を集めるのでしょうか…。甲子園代表校の地元は目が離せませんよね。汗と笑顔と涙の熱闘甲子園、グランドの上の土は、40度を超えるといいます。選手に熱中症が出ないことを願いながら、熱く応援したいと思います。
ところで、35度以上の猛暑日が珍しくなくなったこの夏ですが、暦の上では今年は、8月8日が『立秋』でした。立秋からは『残暑見舞い』ですが、今年は似つかわしくありませんねぇ…。でも8月8日が立秋となると、朝晩そろそろ、秋の気配を感じてもいい頃ではありますね。
「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」
古今集に収められている藤原敏行が立秋に詠んだ和歌ですが、「おどろく」というのは、かなり誇張されてはいますが、「気づく」という意味です。涼風の初秋を待つ気持ちをさらりと表現したいい歌だと思います。
情報通信時代、パソコン、スマホに身を縛られている現代ですが、目ではなく耳で知る。『風の音』に四季の移ろいを感じるこの古人の繊細な感覚を、AI時代を迎える今でも どこかに残して置きたいと思うのですが…。余りにも花鳥風月、山川草木に片寄り過ぎているでしょうかねぇ…。
夏草と 見し間に 秋の初風や 青々
<2019年8月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2019年現在、アナウンサー生活61年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。