止まらないことばの暴力 それは国会でも By - 押阪 忍 公開:2018-07-28 更新:2018-07-30 押阪忍連載 Share Post LINE はてな コメント こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。 ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独り言』にお付き合いください。 ことばの暴力 アナウンサー押阪忍の『美しいことば』 『パワハラ』『セクハラ』の相次ぐ不祥事がマスコミに取り上げられています。私達の中に差別や偏見がまだ根強く残っており、それが時として『ことば』に現れる。つい先月も、なんと国会でそんなケースがありました。 肺ガン患者の代表が、国会に招聘(しょうへい)され、タバコの受動喫煙の害について発言していた際、国会議員の1人が「いい加減にしろ…」という心ないヤジを飛ばしたのです。参考人として招いて置きながら「いい加減にしろ」は失礼極まりない暴言です。自分が喫煙者だとしても、タバコの害は、尚、追及しなければならない現状だということは、誰もが熟知していますよね。 ステージ4のその肺ガン患者は「最初から聴く耳を持っていなかったのでは…」と憤っていました。その議員は、その後、謝罪をしたそうですが、全国12万人近い肺ガン患者は、この傷つくヤジに、これが国民が選んだ国会議員かと、さぞかし憤慨、落胆したことでしょう。 ※ 写真はイメージ このように上から目線の「ことばの暴力」は、至る所でまだ発生しているようです。 大上段に降りかぶる訳ではないのですが、ここで『日本国憲法』を列記してみますね…。 『すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。』 門地というのは出生や家柄です。 一般的に差別でよく問題になるのは、人種や性別、そして身体の不自由な人に対する表現が多いようです。憲法では職業や身体という文字は使われていませんが、注意しなければならない部分だと思います。 次回は「差別感のあることば」を、ご紹介する予定です。どうぞ、お付き合い下さい。 <2018年7月> フリーアナウンサー 押阪 忍 1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2018年現在、アナウンサー生活60年。 日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。 ダルビッシュ有が日本に帰国 向かった先は…?2024年11月12日、メジャーリーグの『サンディエゴ・パドレス』に所属するダルビッシュ有選手が、自身のブログを更新。日本に一時帰国していたことを明かしました。 俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。 Share Post LINE はてな コメント
こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独り言』にお付き合いください。
ことばの暴力
アナウンサー押阪忍の『美しいことば』
『パワハラ』『セクハラ』の相次ぐ不祥事がマスコミに取り上げられています。私達の中に差別や偏見がまだ根強く残っており、それが時として『ことば』に現れる。つい先月も、なんと国会でそんなケースがありました。
肺ガン患者の代表が、国会に招聘され、タバコの受動喫煙の害について発言していた際、国会議員の1人が「いい加減にしろ…」という心ないヤジを飛ばしたのです。参考人として招いて置きながら「いい加減にしろ」は失礼極まりない暴言です。自分が喫煙者だとしても、タバコの害は、尚、追及しなければならない現状だということは、誰もが熟知していますよね。
ステージ4のその肺ガン患者は「最初から聴く耳を持っていなかったのでは…」と憤っていました。その議員は、その後、謝罪をしたそうですが、全国12万人近い肺ガン患者は、この傷つくヤジに、これが国民が選んだ国会議員かと、さぞかし憤慨、落胆したことでしょう。
※ 写真はイメージ
このように上から目線の「ことばの暴力」は、至る所でまだ発生しているようです。
大上段に降りかぶる訳ではないのですが、ここで『日本国憲法』を列記してみますね…。
『すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。』
門地というのは出生や家柄です。
一般的に差別でよく問題になるのは、人種や性別、そして身体の不自由な人に対する表現が多いようです。憲法では職業や身体という文字は使われていませんが、注意しなければならない部分だと思います。
次回は「差別感のあることば」を、ご紹介する予定です。どうぞ、お付き合い下さい。
<2018年7月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2018年現在、アナウンサー生活60年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。