「〜しなければならない」そんな『縛り』が強すぎると生きづらくなるのでは? By - 吉元 由美 公開:2023-11-19 更新:2023-11-19 エッセイ吉元由美連載 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 ちゃらんぽらんの匙加減 5年ほど前、サイキックのSさんに聞いてみました。 「いったい私はどんな人なのでしょうか」 「基本、ちゃらんぽらんです」 Sさんのきっぱりと言いきった答えを聞いて、思わず「ですよね」と笑いが込み上げました。 あー、やっぱりそうか。なんだか、ほっとしました。「誠実な人です」「真面目で頑張り屋さんです」と言われなくてよかったと心底思いました。 普通他人から「あなたはちゃらんぽらんです」と言われたらどう思うでしょうか。「違う!」と腹を立てる人もいるかもしれません。 前にこんなことがありました。女友達3人で、女性と男性の物事の受け取り方の違いについて話していました。 「男の人は、結局単純なのかもね」と誰かが言った時、そこにいた男友達が「僕は単純じゃない!」と怒って、出て行きました。 だから単純なのよね……と思ったのですが、「単純」という言葉が彼の中の「何か」に障ったのかもしれません。「その通りです」とでも言って笑ってくれたら、彼の株も上がったでしょう。 「〜しなければならない」 「真面目でなければならない」 「いい人であらねばならない」 心のどこかに、そんな『縛り』はないでしょうか。それは、この社会の中で生きていく上で大切な心の規範ではあるのですが、それが強すぎると生きづらくなるのではないかと思います。 「〜しなくてはならない」という気持ちで仕事に取り組むと、苦しくなります。「いい作品を書かなければならない」「明日までに終わらせなければならない」という『縛り』は、プレッシャーです。 私は、「ねばならない」を「Let’s」に書き換えるようにしています。「いい作品を書こう!」「明日までに終わらせよう!」「Let’s」で考えることによって、気持ちは前へ向くのです。 「ちゃらんぽらん」とは、「いい加減で無責任なこと」という意味ですが、どこかユーモラスな響きがあり、自由であることを感じさせます(あくまで私のイメージですが)。 事務仕事は苦手、コツコツとやるよりも出たとこ勝負をしてしまう自分には、やはりこの言葉がフィットします。そして、肩の力が抜けます。 「いい加減だからこそ、真面目にやろう」 緩さと緊張と。真面目であることに疲れたら、いい加減な自分で休む。自分の中で緩急をつけて、バランスをとる。これを時々意識してみると、楽になると思います。 「基本、ちゃらんぽらんです」という指摘は、時には力の抜く、自分の中で安らぐという匙加減を教えてくれました。 いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で吉元 由美1,584円(04/20 09:00時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています ※記事中の写真はすべてイメージ 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 ギャル曽根流のポテサラに「今日の夕飯決まった」「その発想はなかった」ギャル曽根さん親子が教える、ポテトサラダレシピに「奥が深い」「その発想はなかった!」の声が上がりました。 材料3つ、調味料3つ! ロバート馬場流の炒飯に「今晩はこれに決めた」「感激した」塩と油は使いません!『ロバート』の馬場裕之さんが教える『黒炒飯』がやみつきになりそうです! Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
ちゃらんぽらんの匙加減
5年ほど前、サイキックのSさんに聞いてみました。
「いったい私はどんな人なのでしょうか」
「基本、ちゃらんぽらんです」
Sさんのきっぱりと言いきった答えを聞いて、思わず「ですよね」と笑いが込み上げました。
あー、やっぱりそうか。なんだか、ほっとしました。「誠実な人です」「真面目で頑張り屋さんです」と言われなくてよかったと心底思いました。
普通他人から「あなたはちゃらんぽらんです」と言われたらどう思うでしょうか。「違う!」と腹を立てる人もいるかもしれません。
前にこんなことがありました。女友達3人で、女性と男性の物事の受け取り方の違いについて話していました。
「男の人は、結局単純なのかもね」と誰かが言った時、そこにいた男友達が「僕は単純じゃない!」と怒って、出て行きました。
だから単純なのよね……と思ったのですが、「単純」という言葉が彼の中の「何か」に障ったのかもしれません。「その通りです」とでも言って笑ってくれたら、彼の株も上がったでしょう。
「〜しなければならない」
「真面目でなければならない」
「いい人であらねばならない」
心のどこかに、そんな『縛り』はないでしょうか。それは、この社会の中で生きていく上で大切な心の規範ではあるのですが、それが強すぎると生きづらくなるのではないかと思います。
「〜しなくてはならない」という気持ちで仕事に取り組むと、苦しくなります。「いい作品を書かなければならない」「明日までに終わらせなければならない」という『縛り』は、プレッシャーです。
私は、「ねばならない」を「Let’s」に書き換えるようにしています。「いい作品を書こう!」「明日までに終わらせよう!」「Let’s」で考えることによって、気持ちは前へ向くのです。
「ちゃらんぽらん」とは、「いい加減で無責任なこと」という意味ですが、どこかユーモラスな響きがあり、自由であることを感じさせます(あくまで私のイメージですが)。
事務仕事は苦手、コツコツとやるよりも出たとこ勝負をしてしまう自分には、やはりこの言葉がフィットします。そして、肩の力が抜けます。
「いい加減だからこそ、真面目にやろう」
緩さと緊張と。真面目であることに疲れたら、いい加減な自分で休む。自分の中で緩急をつけて、バランスをとる。これを時々意識してみると、楽になると思います。
「基本、ちゃらんぽらんです」という指摘は、時には力の抜く、自分の中で安らぐという匙加減を教えてくれました。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」