外出禁止令が出されたチリで、窓の外に向かって歌う女性 すると人々は…
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2019年10月、チリの首都サンティアゴで地下鉄運賃の値上げに端を発した抗議活動が始まりました。この活動はチリ各地に広がり、一部の集団が暴徒化し、放火や略奪などが多発。
多くの州で非常事態宣言が発令され、一部の地域では夜間外出禁止令が出されました。
サンティアゴでは外出禁止令によって市内はまひ状態となり、市民の不満がさらに爆発。
そんな中で、ある女性の行動が多くの人たちを感動させています。
マンションの高層階の窓から顔を出して、外に向かって歌う女性。彼女はソプラノ歌手のアイリーン・ヨウィータ・ロメロさん。
アイリーンさんの美しい歌声に、近所の人たちは大歓声を送ったのです。
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アイリーンさんが歌い終えると同時に拍手と歓声が起こり、彼女の家の周りはまるでコンサート会場のような盛り上がりになりました。
アイリーンさんがこうして歌ったのは、単に外に出られないので暇だったからではありません。
彼女が歌った曲はチリのシンガーソングライター、ビクトル・ハラの『El derecho de vivir en paz(The right to live in peace 平和に生きる権利)』。
アイリーンさんは理不尽な外出禁止令を「平和的に」抗議するために、歌声という手段を用いて自ら声を上げたのです。
アイリーンさんの動画は拡散され、チリ国内外からたくさんのコメントが寄せられました。
・美しいわ。曲、歌声、そして人々のリアクション。涙が出る。
・この歴史的な瞬間はもっと有名になるべきよ。
・彼女の歌声は私の魂に響いた。チリの人たちの普通の生活が尊重されるべきだ。
・私はチリ人で、アメリカの大学で音楽を専攻しています。チリの人たちの強さを見られて嬉しい。あなたの素晴らしい歌声でチリの人たちに力を与えてくれてありがとう。
結局サンティアゴでの外出禁止令は7日間連続で発令されました。普通に外に出ることができない不便やストレスは市民の生活に大きな影響を与えたことでしょう。
そんな状況の中で、夜の町に響いたアイリーンさんの美しく力強い歌声に多くの人たちは共感し、しばしの安らぎを感じられたのではないでしょうか。
[文・構成/grape編集部]