遅刻してきた生徒の手を見てハッとした ノーベル賞博士、大村さんの人生を変えた瞬間

By - grape編集部  公開:  更新:

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研究費は自分で稼ぐ

イベルメクチンが実用化された当時、「特許を売ってほしい」という製薬会社の申し出を断り、大村さんはイベルメクチンを10億人以上に無償配布しました。

にもかかわらず、役立つ物質を提供して「売上の何%かをもらう」契約を結び、今日までその契約は続いています。このような契約を結んだのは、研究者では大村さんが日本人で初めてとのこと。

目の前のお金に手を出さず、先のことを考えて決断した大村さんは、起業家の才能もある人物なのです。

大村さんは、人にお金を出してもらって研究するのではなく「自分がこうと決めた道であるなら、研究費は自分で稼ぐ」という考え。

自分のための財を増やすのではなく、人の役に立てる研究をするために財政知識を養っています。

イベルメクチンを人に対しては無償で提供できるのは、大村さんの賢明な判断があってこそなのです。

盲目の大人を導く子供の像

大村さんが名誉教授を務める北里大学の北里研究所前には、大村さんの功績を讃えた像が建っています。それがこちらの「盲目の大人を導く子供の像」です。

ブルキナファソの彫刻家によって造られた像は、「こういう人たちを助ける人間になってほしい」という気持ちで北里大学に飾られています。

北里大学に通う生徒たちは、この銅像の意味は知っていたが、大村さんが建てたことはあまり知られていなかったようです。

今の自分があるのは妻のおかげ

ノーベル賞受賞後、大村さんが一番最初に喜びを伝えたい人…それは16年前に亡くなった最愛の奥様でした。

今ほどお金がなく一番苦しい時代に、『あなたはノーベル賞をもらう』と、家計を切り詰め支えてくれた奥様。「妻がいてこそ今の自分がある」と大村さんは語っています。

「成功した人は失敗を言わない。でも人より倍も3倍も失敗している。」

これは大村さんが記者会見で残した言葉。人より何倍も失敗して、それでも立ち上がって前に進めたのは、支えてくれた人がいたからなのでしょう。

研究者の鑑でありながら、謙虚さと年齢を感じさせない熱意。

大村さんの生き様ひとつひとつに、ノーベル賞博士という肩書き以上のものを感じさせられました。

「私よりも微生物にノーベル賞を。」

炭酸水につけたリンゴ

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出典
Professor Satoshi Omura

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