「素晴らしい」「人情味ある」 サッカーの審判が『反則』に下した判断に称賛続出 By - grape編集部 公開:2023-02-21 更新:2023-02-21 いい話サッカー地震考え方 Share Post LINE はてな コメント サッカーの試合でゴールを決め、喜びのあまりユニフォームを脱いだり、アンダーシャツに書いたメッセージをアピールしたりする選手を見たことはありますか。 競技規則によると、試合中にユニフォームを脱ぐ行為は、過度な喜び方であるとして、イエローカードの対象となっています。 また、選手が発するメッセージは時として政治や宗教にかかわることもあり、主張によって起こりうる議論や、それ以上の問題を避けるという側面も含んでいます。 しかし、選手がユニフォームを脱いだにもかかわらず、イエローカードを出さなかった審判がいました。 シャツに書かれた『R.I.P ATSU』 その意味とは 2023年2月19日、オランダ・アムステルダムで行われた、エールディビジ第22節のアヤックス対スパルタ・ロッテルダム戦。 アヤックスに所属し、ガーナ代表メンバーでもある、モハメド・クドゥス選手が、後半39分に直接フリーキックでゴールを決めました。 クドゥス選手は得点後、自身のユニフォームをまくり上げ、『R.I.P ATSU(アツよ、安らかに)』と書かれたシャツをあらわにしました。 アヤックスのTwitterアカウントが、その時の様子を公開しています。 Goosebumps, @KudusMohammedGH 🤲♥️ pic.twitter.com/9aNrcBi7Mp— AFC Ajax (@AFCAjax) February 20, 2023 『ATSU』とは、元ガーナ代表の、クリスティアン・アツ選手のことです。 トルコのサッカークラブに所属していたアツ選手は、2023年2月6日にトルコ南部で発生した大地震で被災。 行方不明となっていましたが、同月18日に、残念ながら亡くなったことが発表されました。 クドゥス選手は、同じガーナ出身のアツ選手に対する追悼として、ユニフォームを脱ぐパフォーマンスを行ったのです。 「リスペクトを感じた」 ボーケル主審が示した姿勢 クドゥス選手のパフォーマンスは、競技規則に従えば、イエローカードに相当する行為です。 しかし、当日の試合を担当したポール・ファン・ボーケル主審は、クドゥス選手に口頭で何かを伝えた後、イエローカードを出さずにその場を離れました。 試合後、クドゥス選手はスポーツメディア『ESPN』のインタビューに応じ、ボーケル主審との場面について、次のように話しています。 「もちろん、ユニフォームを脱ぐことは許されていない。ただ、アツ選手がトルコの地震で亡くなったことは、サッカー以上に大きなことだと理解しているよ」と、ボーケル主審は僕に伝えてくれました。 僕への大きなリスペクトを感じましたし、僕も彼に対して敬意を示したいと思います。あの時の状況を分かってくれたのですから。 @ESPNFC ーより引用(和訳) Mohammed Kudus was meant to receive a yellow card for his tribute to Christian Atsu but referee Pol van Boekel opted not to book him, telling the Ajax forward he understands "this is a bigger situation than football.”Class ❤️ pic.twitter.com/nnC3aRoOm8— ESPN FC (@ESPNFC) February 20, 2023 SNS上では一連のシーンに対して、「素晴らしい主審だ」「人情味のある話」「主審にフェアプレー賞を与えてほしい」といったコメントが世界中から寄せられました。 一方で、「選手はイエローカードを覚悟していたのでは」「追悼したい気持ちは分かるけど、ルールはルールとして見てほしい」のように、規則を尊重すべきではないかという意見も出るなど、さまざまな考え方が混在しています。 試合中にユニフォームを脱いだクドゥス選手の行動と、『クドゥス選手の意志をくみ取った上で、イエローカードを出さない』というボーケル主審が下した判断は、どちらも競技規則の上では正しくありません。 しかし、行動の背景にあった意図と感情が、多くの人の心を打ったのでしょう。 [文・構成/grape編集部] 元プロ野球選手 清原和博容疑者、逮捕される ファンは動揺…2016年2月2日、元プロ野球選手の清原和博容疑者が、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されました 水谷隼が卓球ロボットと対戦! 動画に「すご」「普通に勝てる気がしない…」元プロ卓球選手の水谷隼さんが、AI機能搭載『卓球ロボット』と対戦する様子を公開。7年ぶりに戦った結果は…? 出典 @ESPNFC/@AFCAjax Share Post LINE はてな コメント
サッカーの試合でゴールを決め、喜びのあまりユニフォームを脱いだり、アンダーシャツに書いたメッセージをアピールしたりする選手を見たことはありますか。
競技規則によると、試合中にユニフォームを脱ぐ行為は、過度な喜び方であるとして、イエローカードの対象となっています。
また、選手が発するメッセージは時として政治や宗教にかかわることもあり、主張によって起こりうる議論や、それ以上の問題を避けるという側面も含んでいます。
しかし、選手がユニフォームを脱いだにもかかわらず、イエローカードを出さなかった審判がいました。
シャツに書かれた『R.I.P ATSU』 その意味とは
2023年2月19日、オランダ・アムステルダムで行われた、エールディビジ第22節のアヤックス対スパルタ・ロッテルダム戦。
アヤックスに所属し、ガーナ代表メンバーでもある、モハメド・クドゥス選手が、後半39分に直接フリーキックでゴールを決めました。
クドゥス選手は得点後、自身のユニフォームをまくり上げ、『R.I.P ATSU(アツよ、安らかに)』と書かれたシャツをあらわにしました。
アヤックスのTwitterアカウントが、その時の様子を公開しています。
『ATSU』とは、元ガーナ代表の、クリスティアン・アツ選手のことです。
トルコのサッカークラブに所属していたアツ選手は、2023年2月6日にトルコ南部で発生した大地震で被災。
行方不明となっていましたが、同月18日に、残念ながら亡くなったことが発表されました。
クドゥス選手は、同じガーナ出身のアツ選手に対する追悼として、ユニフォームを脱ぐパフォーマンスを行ったのです。
「リスペクトを感じた」 ボーケル主審が示した姿勢
クドゥス選手のパフォーマンスは、競技規則に従えば、イエローカードに相当する行為です。
しかし、当日の試合を担当したポール・ファン・ボーケル主審は、クドゥス選手に口頭で何かを伝えた後、イエローカードを出さずにその場を離れました。
試合後、クドゥス選手はスポーツメディア『ESPN』のインタビューに応じ、ボーケル主審との場面について、次のように話しています。
SNS上では一連のシーンに対して、「素晴らしい主審だ」「人情味のある話」「主審にフェアプレー賞を与えてほしい」といったコメントが世界中から寄せられました。
一方で、「選手はイエローカードを覚悟していたのでは」「追悼したい気持ちは分かるけど、ルールはルールとして見てほしい」のように、規則を尊重すべきではないかという意見も出るなど、さまざまな考え方が混在しています。
試合中にユニフォームを脱いだクドゥス選手の行動と、『クドゥス選手の意志をくみ取った上で、イエローカードを出さない』というボーケル主審が下した判断は、どちらも競技規則の上では正しくありません。
しかし、行動の背景にあった意図と感情が、多くの人の心を打ったのでしょう。
[文・構成/grape編集部]