「ありえない」あってはならない園児虐待 怒りの声と共に『環境』への疑問も…?
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幼い子供を育てる親たちにとって、心配事の1つである、保育園(保育所)の問題。
「園に通い始めたばかりで馴染めるかが不安」「そもそも定員オーバーで入園できないかも」「兄弟で別の園になったら大変…」など、心配になることはたくさんありますよね。
その中でも、ニュースで耳にする機会が増えた『保育士による園児虐待の事件』には、特に不安を抱く人が多いのではないでしょうか。
各地で発覚する園児虐待に、怒りの声
近年、園児へ暴行を加える、暴言を吐くといった信じがたい出来事が、各地の保育所で相次いでいます。
2022年に静岡県裾野市内の保育園で、園児を宙づりにするなどの暴行をした保育士3人が逮捕されたという事件が、世間を騒がせたことも記憶に新しいでしょう。
相次ぐ保育士の虐待にネットでは、子育てをする親たちをはじめ、多くの人が不安や怒りの声を上げていました。
・ありえない。自分の子供に対しても同じことができるのか。
・これから通う予定の保育所は大丈夫か、不安になる。
・こういうことをする人には、子供と関わる仕事を二度としないでほしい。
・怒りが湧いてくる。子供たちにトラウマが残らないか心配です。
幼い子供への暴力など、憤りを感じない人のほうが少ないでしょう。
至極当たり前のことですが、保育士が園児に暴力ふるう、暴言を吐くなど、心身に影響を与える行為は認められません。
保育士たちは園児の人権や人格を尊重し、心身になんらかの苦痛を与えることがないよう、常に意識して行動していく必要があります。
なぜ虐待が起こるのか
それでは、なぜ保育士による園児虐待の事件は、相次いでいるのでしょうか。
ネット上では虐待をする保育士への怒りの声のほかに、こういった疑問が上がっていました。
「暴力をふるってしまうような心理状態になるほど、過重な負担を抱えているのではないか」
それは、全国で保育士が不足しているほか、保育士1人にかかる仕事の負担が大きいことから、「余裕を持って保育に臨めない環境がまずいのでは」という声。
もちろん、「環境が悪いからといって許される」というわけではありません。しかし労働環境の問題が、虐待を助長している可能性がないとはいえないようです。
厚生労働省の調査でも、虐待を含む『不適切な保育』が発生するのは『職場環境』の問題が、1つの要因と考えられている模様。
実際に、保育所を利用する子供とその家庭の多様化などにより、保育士にかかる負担は、どんどん増えているそうです。
そんな日々がさらに続けば、ストレスが膨大になるのは想像に難くないはず…。
保育士たちは、時間や気持ちに余裕がなくなり、本来はするべきではないと分かっていても、不適切な行為をしてしまうことがあるというのです。
例えば、会社や家庭などでも切羽詰まった状態が続くと「つい大きな声を出してしまった」「嫌な態度を表に出してしまった」などは、あり得るでしょう。
職場全体に余裕がなければ、そばで虐待が起こっていることに気付けなかったり、未然に防止する人がいなかったり…といった悪循環にもなりかねません。
※写真はイメージ
待機児童問題など、解決すべき保育の問題はたくさんあります。
ですが、それらは保育士不足や労働環境が改善された『土台』がなければ、解決できないことが多いでしょう。
体制が整わない状態が続けば『本来ならば起こらなかった虐待』をなくすどころか、さらに状況が悪化してしまう可能性も…。
政府は保育士の処遇改善を行い、質の高い人材の確保を目指しているそうですが、2023年現在、まだまだ現場で働く人の不満は多い状況です。
保育士の労働環境については、思っている以上に、早急な解決が必要になっているのかもしれません。
あってはならない保育士による園児虐待。とはいえ「ひどい」「ありえない」と保育士だけを非難すればいいのでしょうか。
保育所の裏側がどうなっているのか、なぜ虐待が起こってしまうのかを考え、根本の原因を解決していかなければならないことは、頭の中に留めておきたいですね。
[文・構成/grape編集部]