「ありえない」あってはならない園児虐待 怒りの声と共に『環境』への疑問も…? By - grape編集部 公開:2023-03-30 更新:2024-08-22 保育園保育士時事 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ 幼い子供を育てる親たちにとって、心配事の1つである、保育園(保育所)の問題。 「園に通い始めたばかりで馴染めるかが不安」「そもそも定員オーバーで入園できないかも」「兄弟で別の園になったら大変…」など、心配になることはたくさんありますよね。 その中でも、ニュースで耳にする機会が増えた『保育士による園児虐待の事件』には、特に不安を抱く人が多いのではないでしょうか。 各地で発覚する園児虐待に、怒りの声 近年、園児へ暴行を加える、暴言を吐くといった信じがたい出来事が、各地の保育所で相次いでいます。 2022年に静岡県裾野市内の保育園で、園児を宙づりにするなどの暴行をした保育士3人が逮捕されたという事件が、世間を騒がせたことも記憶に新しいでしょう。 相次ぐ保育士の虐待にネットでは、子育てをする親たちをはじめ、多くの人が不安や怒りの声を上げていました。 ・ありえない。自分の子供に対しても同じことができるのか。 ・これから通う予定の保育所は大丈夫か、不安になる。 ・こういうことをする人には、子供と関わる仕事を二度としないでほしい。 ・怒りが湧いてくる。子供たちにトラウマが残らないか心配です。 幼い子供への暴力など、憤りを感じない人のほうが少ないでしょう。 至極当たり前のことですが、保育士が園児に暴力ふるう、暴言を吐くなど、心身に影響を与える行為は認められません。 保育士たちは園児の人権や人格を尊重し、心身になんらかの苦痛を与えることがないよう、常に意識して行動していく必要があります。 なぜ虐待が起こるのか それでは、なぜ保育士による園児虐待の事件は、相次いでいるのでしょうか。 ネット上では虐待をする保育士への怒りの声のほかに、こういった疑問が上がっていました。 「暴力をふるってしまうような心理状態になるほど、過重な負担を抱えているのではないか」 それは、全国で保育士が不足しているほか、保育士1人にかかる仕事の負担が大きいことから、「余裕を持って保育に臨めない環境がまずいのでは」という声。 もちろん、「環境が悪いからといって許される」というわけではありません。しかし労働環境の問題が、虐待を助長している可能性がないとはいえないようです。 厚生労働省の調査でも、虐待を含む『不適切な保育』が発生するのは『職場環境』の問題が、1つの要因と考えられている模様。 実際に、保育所を利用する子供とその家庭の多様化などにより、保育士にかかる負担は、どんどん増えているそうです。 そんな日々がさらに続けば、ストレスが膨大になるのは想像に難くないはず…。 保育士たちは、時間や気持ちに余裕がなくなり、本来はするべきではないと分かっていても、不適切な行為をしてしまうことがあるというのです。 例えば、会社や家庭などでも切羽詰まった状態が続くと「つい大きな声を出してしまった」「嫌な態度を表に出してしまった」などは、あり得るでしょう。 職場全体に余裕がなければ、そばで虐待が起こっていることに気付けなかったり、未然に防止する人がいなかったり…といった悪循環にもなりかねません。 ※写真はイメージ 待機児童問題など、解決すべき保育の問題はたくさんあります。 ですが、それらは保育士不足や労働環境が改善された『土台』がなければ、解決できないことが多いでしょう。 体制が整わない状態が続けば『本来ならば起こらなかった虐待』をなくすどころか、さらに状況が悪化してしまう可能性も…。 政府は保育士の処遇改善を行い、質の高い人材の確保を目指しているそうですが、2023年現在、まだまだ現場で働く人の不満は多い状況です。 保育士の労働環境については、思っている以上に、早急な解決が必要になっているのかもしれません。 あってはならない保育士による園児虐待。とはいえ「ひどい」「ありえない」と保育士だけを非難すればいいのでしょうか。 保育所の裏側がどうなっているのか、なぜ虐待が起こってしまうのかを考え、根本の原因を解決していかなければならないことは、頭の中に留めておきたいですね。 [文・構成/grape編集部] 俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。 元プロ野球選手 清原和博容疑者、逮捕される ファンは動揺…2016年2月2日、元プロ野球選手の清原和博容疑者が、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されました Share Post LINE はてな コメント
幼い子供を育てる親たちにとって、心配事の1つである、保育園(保育所)の問題。
「園に通い始めたばかりで馴染めるかが不安」「そもそも定員オーバーで入園できないかも」「兄弟で別の園になったら大変…」など、心配になることはたくさんありますよね。
その中でも、ニュースで耳にする機会が増えた『保育士による園児虐待の事件』には、特に不安を抱く人が多いのではないでしょうか。
各地で発覚する園児虐待に、怒りの声
近年、園児へ暴行を加える、暴言を吐くといった信じがたい出来事が、各地の保育所で相次いでいます。
2022年に静岡県裾野市内の保育園で、園児を宙づりにするなどの暴行をした保育士3人が逮捕されたという事件が、世間を騒がせたことも記憶に新しいでしょう。
相次ぐ保育士の虐待にネットでは、子育てをする親たちをはじめ、多くの人が不安や怒りの声を上げていました。
・ありえない。自分の子供に対しても同じことができるのか。
・これから通う予定の保育所は大丈夫か、不安になる。
・こういうことをする人には、子供と関わる仕事を二度としないでほしい。
・怒りが湧いてくる。子供たちにトラウマが残らないか心配です。
幼い子供への暴力など、憤りを感じない人のほうが少ないでしょう。
至極当たり前のことですが、保育士が園児に暴力ふるう、暴言を吐くなど、心身に影響を与える行為は認められません。
保育士たちは園児の人権や人格を尊重し、心身になんらかの苦痛を与えることがないよう、常に意識して行動していく必要があります。
なぜ虐待が起こるのか
それでは、なぜ保育士による園児虐待の事件は、相次いでいるのでしょうか。
ネット上では虐待をする保育士への怒りの声のほかに、こういった疑問が上がっていました。
「暴力をふるってしまうような心理状態になるほど、過重な負担を抱えているのではないか」
それは、全国で保育士が不足しているほか、保育士1人にかかる仕事の負担が大きいことから、「余裕を持って保育に臨めない環境がまずいのでは」という声。
もちろん、「環境が悪いからといって許される」というわけではありません。しかし労働環境の問題が、虐待を助長している可能性がないとはいえないようです。
厚生労働省の調査でも、虐待を含む『不適切な保育』が発生するのは『職場環境』の問題が、1つの要因と考えられている模様。
実際に、保育所を利用する子供とその家庭の多様化などにより、保育士にかかる負担は、どんどん増えているそうです。
そんな日々がさらに続けば、ストレスが膨大になるのは想像に難くないはず…。
保育士たちは、時間や気持ちに余裕がなくなり、本来はするべきではないと分かっていても、不適切な行為をしてしまうことがあるというのです。
例えば、会社や家庭などでも切羽詰まった状態が続くと「つい大きな声を出してしまった」「嫌な態度を表に出してしまった」などは、あり得るでしょう。
職場全体に余裕がなければ、そばで虐待が起こっていることに気付けなかったり、未然に防止する人がいなかったり…といった悪循環にもなりかねません。
※写真はイメージ
待機児童問題など、解決すべき保育の問題はたくさんあります。
ですが、それらは保育士不足や労働環境が改善された『土台』がなければ、解決できないことが多いでしょう。
体制が整わない状態が続けば『本来ならば起こらなかった虐待』をなくすどころか、さらに状況が悪化してしまう可能性も…。
政府は保育士の処遇改善を行い、質の高い人材の確保を目指しているそうですが、2023年現在、まだまだ現場で働く人の不満は多い状況です。
保育士の労働環境については、思っている以上に、早急な解決が必要になっているのかもしれません。
あってはならない保育士による園児虐待。とはいえ「ひどい」「ありえない」と保育士だけを非難すればいいのでしょうか。
保育所の裏側がどうなっているのか、なぜ虐待が起こってしまうのかを考え、根本の原因を解決していかなければならないことは、頭の中に留めておきたいですね。
[文・構成/grape編集部]