「死んでしまいたい…」失明した妻へ贈った、庭一面の花畑 By - grape編集部 公開:2016-02-15 更新:2016-02-16 老夫婦 Share Post LINE はてな コメント 宮崎県の児湯郡新富町に、『新富町の観光名所』と呼ばれる個人宅があります。 『シバザクラ』という花に囲まれた600坪の家で、毎年3月下旬から4月下旬にお庭を開放しています。なんと、多い日には7000人近くが花を見に訪れるそうです。 みなさん、こんにちは!本日の芝桜です!まだまだ綺麗ですよ!ぜひ、見に来てください(^○^)/Posted by 新富町役場 on 2013年4月12日 庭一面に咲き誇る、ピンク色の美しい花畑。実はこの光景には、とある夫婦の愛が詰まっているのです。 光を失った妻へ贈った『シバザクラの花畑』 黒木敏幸さんと靖子さんは、1956年に結婚して以来、この家で酪農業を営んできました。 毎日休む日もなく朝早く起床し、60頭もの牛を育てても、生活は非常に苦しかったそうです。 「お金を貯めて仕事を辞めたら、2人で日本一周旅行に行こう」 そう約束した黒木さん夫妻は、2人の子どもを育てながら日々支え合っていました。 しかし、靖子さんを悲しい運命が襲う 結婚から30年経ったある日のこと。52歳になった靖子さんが、突然目の不調を訴えたのです。敏行さんがすぐ眼科へ連れていくも、原因は不明。 1週間後、糖尿病の合併症が原因だと判明する頃には、完全に視力を失ってしまいました。 「あの世に行ってしまいたい…」 夢も希望も失った彼女は、ある日そんなことをつぶやきました。夫との旅行を夢見て毎日働いてきた靖子さんにとって、この現実は受け入れられなかったのです。 妻を喜ばせたい一心で植えた、一握りのシバザクラ 視力を失ってから、すっかり家に閉じこもるようになった靖子さん。 「せめて誰か遊びに来てくれたら、話し相手になってくれるかしら…」 落ち込んだ表情でそう言う妻の姿を見て、敏行さんは毎日心を痛めていました。 そんなある日、庭に咲いていたシバザクラの花がふと目に入ったのです。 「目が見えなくても、花なら匂いで感じることができる。 それに、きれいな花畑が家にあったら、たくさんの人が来てくれるかもしれない…!」 そう思った敏行さんは、シバザクラを庭中に植えることにしました。 2年かけて土台を整え、毎日シバザクラの花を育てる敏行さん。愛する妻・靖子さんに笑顔を取り戻したい…その一心で庭に花を植え続けたのです。 徐々に広がっていく『シバザクラのカーペット』 10年という長い年月をかけ、どんどん大きくなったシバザクラの花畑。その美しさは、近隣の住民からさらに広がり、県外からも人が来るようになりました。 そして、そこには花畑の中を散歩し、笑顔で人と会話する靖子さんの姿もありました。 靖子さん!!! 人の輪の中心にいるのが、なんと靖子さん。 花見客のみなさんと楽しそうに談笑していて本当に楽しそうにしている(^^)花見客が「こんなに大事にされて幸せですね」というと靖子さんが「一緒に苦労したから、ようして...Posted by 松本 佳之 on 2014年4月20日 今でも靖子さんや多くの人々のため、土運びや水やりなどの花の育成をひとりで行っている敏行さん。多くの人が花を見て喜んでくれることが、今の生きがいなのだそうです。 黒木さん夫妻の永遠の愛がある限り、これからもシバザクラは美しく咲き誇ることでしょう。 出典 Facebook/光失った妻に芝桜を 宮崎/Facebook Share Post LINE はてな コメント
宮崎県の児湯郡新富町に、『新富町の観光名所』と呼ばれる個人宅があります。
『シバザクラ』という花に囲まれた600坪の家で、毎年3月下旬から4月下旬にお庭を開放しています。なんと、多い日には7000人近くが花を見に訪れるそうです。
庭一面に咲き誇る、ピンク色の美しい花畑。実はこの光景には、とある夫婦の愛が詰まっているのです。
光を失った妻へ贈った『シバザクラの花畑』
黒木敏幸さんと靖子さんは、1956年に結婚して以来、この家で酪農業を営んできました。
毎日休む日もなく朝早く起床し、60頭もの牛を育てても、生活は非常に苦しかったそうです。
「お金を貯めて仕事を辞めたら、2人で日本一周旅行に行こう」
そう約束した黒木さん夫妻は、2人の子どもを育てながら日々支え合っていました。
しかし、靖子さんを悲しい運命が襲う
結婚から30年経ったある日のこと。52歳になった靖子さんが、突然目の不調を訴えたのです。敏行さんがすぐ眼科へ連れていくも、原因は不明。
1週間後、糖尿病の合併症が原因だと判明する頃には、完全に視力を失ってしまいました。
「あの世に行ってしまいたい…」
夢も希望も失った彼女は、ある日そんなことをつぶやきました。夫との旅行を夢見て毎日働いてきた靖子さんにとって、この現実は受け入れられなかったのです。
妻を喜ばせたい一心で植えた、一握りのシバザクラ
視力を失ってから、すっかり家に閉じこもるようになった靖子さん。
「せめて誰か遊びに来てくれたら、話し相手になってくれるかしら…」
落ち込んだ表情でそう言う妻の姿を見て、敏行さんは毎日心を痛めていました。
そんなある日、庭に咲いていたシバザクラの花がふと目に入ったのです。
「目が見えなくても、花なら匂いで感じることができる。
それに、きれいな花畑が家にあったら、たくさんの人が来てくれるかもしれない…!」
そう思った敏行さんは、シバザクラを庭中に植えることにしました。
2年かけて土台を整え、毎日シバザクラの花を育てる敏行さん。愛する妻・靖子さんに笑顔を取り戻したい…その一心で庭に花を植え続けたのです。
徐々に広がっていく『シバザクラのカーペット』
10年という長い年月をかけ、どんどん大きくなったシバザクラの花畑。その美しさは、近隣の住民からさらに広がり、県外からも人が来るようになりました。
そして、そこには花畑の中を散歩し、笑顔で人と会話する靖子さんの姿もありました。
今でも靖子さんや多くの人々のため、土運びや水やりなどの花の育成をひとりで行っている敏行さん。多くの人が花を見て喜んでくれることが、今の生きがいなのだそうです。
黒木さん夫妻の永遠の愛がある限り、これからもシバザクラは美しく咲き誇ることでしょう。