重曹とクエン酸を混ぜるとどうなる? 効果的な活用法やそれぞれの使い方をご紹介!
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「性質が異なる重曹とクエン酸は混ぜて使えるのかな」
「重曹とクエン酸を混ぜるとどんな効果があるんだろう」
このような疑問を抱えている人は少なくないでしょう。結論を述べると、重曹とクエン酸の性質は真逆であり、混ぜることで中和反応が起こります。
アルカリ性の重曹と、酸性のクエン酸の双方の性質が打ち消されるからです。
重曹とクエン酸を混ぜ合わせたものは中和している状態なので、それぞれが持っていた洗浄力はなくなります。しかし、中和反応の際に発生する泡は汚れを浮かすので、シンクなどの掃除に便利。
当記事では、重曹とクエン酸の性質や混ぜた時の反応などを解説します。
重曹とクエン酸のそれぞれ単体での使い方も紹介しているので、活用の幅が広がること間違いなしです。ぜひ参考にしてみてください。
重曹とクエン酸は混ぜても汚れを落とせない
重曹とクエン酸は単体だと汚れを落とすのに効果的ですが、混ぜ合わせると洗浄力はなくなるので要注意。
ここでは、重曹とクエン酸の性質を解説した上で、混ぜ合わせると汚れが落ちなくなる理由を紹介します。
重曹の性質はアルカリ性
重曹は炭酸水素ナトリウムでもあり、pH8.5程度の弱アルカリ性。アルカリ性の重曹には、酸を中和する作用があり、掃除に使われます。
また、少量の水と混ぜ合わせた重曹の粒子は、研磨作用がありつつ、細かい傷が付きにくいのがメリット。ソフトなクレンザーとしても使われます。
重曹の粉自体は人体に無害な物質です。そのため、掃除だけでなく、食材の臭み取りなどの加工にも活用されることもあります。
クエン酸の性質は酸性
クエン酸は、レモンなどの柑橘類や梅干しに含まれる酸っぱい成分のこと。pH2〜3ほどの弱い酸性であり、アルカリ性の汚れを落とすのに使われます。
石けんのカス・水垢・電気ポットのカルシウム汚れ・トイレの尿汚れなどを落とす際は、クエン酸が便利。ただ、揮発性がないため、掃除をした部分に酸の成分が残ります。
クエン酸は水に溶けやすい性質で、水の量に対し2%ほど溶かすだけで、pH2の酸性になります。またクエン酸には、臭いはありません。
重曹とクエン酸は混ぜると中和する
重曹はアルカリ性の性質であり、クエン酸の性質は酸性です。
両者はそれぞれ反対の性質の汚れを落とせますが、混ぜ合わせると互いの性質が打ち消しあってしまう中和反応が起こります。
そのため、重曹とクエン酸を混ぜ合わせたものは、汚れ落としに向きません。
重曹とクエン酸を混ぜ合わせた時に、派手な泡立ちが発生します。これは、両者が合わさることで二酸化炭素が発生することが原因として挙げられます。
ただ、発生した泡は汚れを浮き上がらせる効果があるものの、洗浄力がアップするわけではありません。
重曹とクエン酸はシンクの掃除におすすめ
重曹とクエン酸を混ぜ合わせたものは汚れ落としに使えませんが、シンクの掃除のアイテムとして活用できます。
ここでは、シンクの掃除に効果的な理由や具体的な方法を紹介します。
シンクの掃除に効果的な理由
重曹とクエン酸は、シンクの素材へのダメージを最小限に抑えて掃除することが可能。両者を混ぜ合わせることで発生する泡で、シンクに溜まった汚れを浮かせて落とせます。
キッチンシンクはさまざまな食材や油を扱うため、掃除が不十分だと、食材の切りカスや食べカスが排水口に流れてしまいます。
汚れが排水口に流れると、パイプの内部に蓄積されて水の流れが悪くなるリスクが。定期的にシンクを掃除することで、きれいな状態を保ちましょう。
シンクの掃除方法
重曹とクエン酸を使ったシンクの掃除方法を紹介します。
重曹とクエン酸を混ぜて飲むと炭酸水になる
食用の重曹とクエン酸は、混ぜ合わせると炭酸水になります。
ここでは、重曹とクエン酸を混ぜたドリンクの作り方や飲む際の注意点をご紹介。「炭酸水を飲みたいけれど、メーカーがなくて作れない」という人はぜひご覧ください。
重曹とクエン酸を混ぜると炭酸水が作れる
水に重曹とクエン酸を混ぜ合わせると、炭酸水が作れます。これは、両者が中和する際に二酸化炭素が発生するためです。
ただし、炭酸水素ナトリウムでもある重曹は、人によってはそのまま飲むとしょっぱく感じることもあるでしょう。気になる場合は、はちみつやレモン汁を加えて飲みやすくするのがおすすめです。
また、クエン酸や重曹の分量が多いと、炭酸ガスが過剰に発生します。重曹とクエン酸を混ぜる際は、1:1の比率を意識しましょう。
重曹とクエン酸のドリンクの作り方
重曹とクエン酸で作る炭酸ドリンクのレシピを紹介します。
【材料】
炭酸のシュワシュワ感とはちみつやレモン汁などの味わいがマッチした、おいしいドリンクが味わえます。
ドリンクを飲む際の注意点
重曹とクエン酸でドリンクを作る際は、ミネラルウォーターを使うようにしてください。水道水には消毒のための塩素が含まれているので、クエン酸のビタミンCが破壊され、炭酸ができないリスクがあります。
また、重曹とクエン酸は、どちらも食用のものを使用してください。
重曹水は塩分量が多いため、飲みすぎるのは危険です。1日3gまでの摂取を意識し、塩分を摂りすぎないようにしましょう。
また、クエン酸も大量に摂取するとお腹に負荷がかかります。1日に10〜15gを複数回に分けて摂りましょう。
重曹とクエン酸の適正量を踏まえると、ドリンクは1日2~3杯が目安が限度です。おいしく味わうためにも、飲みすぎには気を付けてください。
重曹の使い方3選
重曹の使い方はたくさんありますが、ここでは以下の3つを紹介します。
知っていると日常生活で役立つものがそろっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
お風呂の皮脂汚れを落とす
バスルームの湯垢や皮脂などの汚れを落とすには、重曹が効果的。水垢はアルカリ性なので相性はあまりよくないですが、軽いものなら重曹の研磨作用が働きます。
まず、お湯を張った浴槽に、汚れを落としたい風呂桶や椅子を入れましょう。重曹を1カップほど加えたら、しばらく放置。
数時間経ったらお湯から取り出し、ブラシで擦ることでピカピカになります。
カーペットやラグを消臭する
重曹は、カーペットやラグ、布製品の消臭にも活用できます。冬のカーペットなどを毎回掃除するのは大変なので、消臭だけでも手軽にできるのは嬉しいポイントです。
臭いが気になるカーペットやラグなどに、粉の状態の重曹を振りかけます。しばらく置いた後、掃除機で重曹を吸い取ることで、手軽に消臭できます。
また、臭いがこもりがちな靴箱の消臭にも、重曹は活躍。瓶や袋に入れた、粉の状態の重曹を靴箱に入れることで、手軽に消臭ができます。
細かい掃除やこまめな洗濯に時間が取れない人は、ぜひトライしてみてください。
肉や豆を柔らかくする
重曹は、炭酸水素ナトリウムであるため、タンパク質を分解する性質があり、タンパク質が豊富な肉や豆に振りかけることで、柔らかくしてくれるのです。
重曹を振りかけることで、タンパク質が分解されて繊維がほぐれます。硬い肉や豆が柔らかく仕上がるので、料理の味わいもワンランクアップするでしょう。
なお、料理に使う際は、食用の重曹を使用してください。
クエン酸の使い方3選
重曹と同様、クエン酸にも多くの活用法があります。ここで紹介する方法は、以下の3つです。
こちらも知っていると日常生活で役立つものがそろっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ペットトイレの掃除と消臭
酸性のクエン酸には、アンモニア臭を中和する効果があります。そのため、ペットのおしっこの臭いや飛沫が気になるペットトイレの消臭に、クエン酸は便利です。
消臭には、クエン酸を水に溶かした溶液を使用します。手順はシンプル。ペットトイレ周辺に溶液をスプレーし、キッチンペーパーなどで拭くだけです。
臭いや汚れが気にならなくなるので、「あとで掃除するけど今すぐ臭いだけでもなんとかしたい」「掃除したはずなのに臭いが気になる」という人は、ぜひ実践してみてください。
加湿空気清浄機のフィルターの掃除
クエン酸には水垢を落とす効果があるため、掃除がしにくい加湿空気清浄機のフィルターの掃除にも便利です。
フィルターが入るくらいの大きさの容器に、40℃以下のぬるま湯3ℓに、大さじ2杯のクエン酸を入れます。2時間ほどつけ置きしたら、流水でしっかりすすぎましょう。
ただし、掃除にクエン酸が使用可能かどうかを事前に確認しておく必要があります。
加湿空気清浄機の取り扱い説明書に、クエン酸についての記載がない場合は、念のため使用を控えてください。
根菜の下ごしらえ
ゴボウやレンコンなどの根菜の下ごしらえに、クエン酸は便利です。
小さじ1杯程度のクエン酸を溶かした1ℓの水につけておくとことで、黒ずみを防いできれいな色をキープできます。
しっかり下ごしらえすることで、ぬめりやえぐみも取れるので、料理をおいしく味わえるでしょう。
料理に使用する際は、食用のクエン酸を活用ください。
まとめ
アルカリ性の重曹と、酸性のクエン酸は、混ぜ合わせると中和反応が発生します。両者は互いの性質を打ち消し合うため、汚れ落としには向きません。
ただし、中和の際に発生する泡は、汚れを浮かせられます。洗浄力がアップするわけではありませんが、なかなか手が届かないシンクの掃除に便利です。
また、食用の重曹とクエン酸を混ぜ合わせると、炭酸水が作れます。そのままだとしょっぱいですが、はちみつやレモン汁を混ぜるとさわやかで飲みやすい味になるでしょう。
重曹単体だと、お風呂の皮脂汚れ落としや布製品の消臭、肉や豆を柔らかくする効果が期待できます。
一方、クエン酸単体では、ペットトイレの掃除と消臭や加湿空気清浄機のフィルターの掃除、根菜の下ごしらえなどに便利です。
それぞれの特徴や混ぜ合わせた時の効果について理解を深め、活用してみてください。
[文・構成/grape編集部]