【和菓子】求肥とは? 特徴から自宅で作れるレシピまでまるっと解説 By - COLLY 公開:2024-05-31 更新:2024-05-31 料理 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ 求肥は『ぎゅうひ』と読み、大福などの和菓子に使用される生地です。食べたことはあるけれど、一体何でできているのか、どうやって作られているのか、知らない人も多いのではないでしょうか。 この記事では、求肥について、名前の由来や製法、自宅で作れるレシピまで解説していきます。求肥について知って、和菓子をよりおいしく食べるきっかけにしてください。 求肥とは ※写真はイメージ 求肥(ぎゅうひ)は、なじみの薄いものと思うかもしれませんが、意外にも身近にあふれている和菓子の材料です。例えば、大福や練り切り、羽二重餅といった和菓子に使用されています。『求肥』という名称で店に並ぶことが少ないため、「和菓子はよく食べるのに初めて知った」という人もいるかもしれません。 まずは、求肥の基本的な情報を知っていきましょう。 求肥の名前の由来 求肥は、平安時代に唐(中国)から伝わったものといわれています。もともとは『牛皮』または『牛肥』と書かれていました。諸説ありますが、牛のなめし皮のように白かった、または食感が滑らかだったという説や、当時は玄米や黒砂糖を原料としており、色が牛の皮のように黒かったため、といった説があります。 しかし、当時は仏教思想により牛や豚などの獣肉食が嫌がられていたことから、表記を変えて現在の『求肥』になったといい伝えられているようです。 求肥の原料・製法 求肥は、もち粉または白玉粉に砂糖や水飴、そして水が加えられたもの。砂糖や水飴のおかげで冷めても硬くならず、柔らかい食感が楽しめるのです。 求肥には、以下の3つの製法があります。 水練り ゆで練り 蒸し練り 水練りは、もっとも多く用いられる手法であり、もち粉に水を加え熱しながら砂糖や水飴を足していき、練り上げる製法です。ほかの製法で作るよりも、食感や手触りが滑らかで柔らかい生地ができます。 ゆで練りは、もち粉に水を加えて練った後にゆで、その後に砂糖や水飴を加えてさらに練り上げる製法です。ゆでることで、粉に確実に火が通ります。 蒸し練りは、もち粉を蒸してから砂糖や水飴を加え練り上げていくため、ゆで練りと同じく粉に確実に火が通る製法です。水練りに比べ保存期間が長いのが特徴となります。 それぞれの製法によって、柔らかさやコシといった食感に加え、日持ちが変わるのは驚きですね。各和菓子店でも製法が異なると思うので、お気に入りのお店にどの製法で作っているのか聞いてみても面白いかもしれません。 求肥・餅・すあまの違い 求肥と食感の似た食べものに、餅とすあまがあります。『すあま』とは、東日本で見かけることの多い和菓子です。紅白に色付けされたものが多く、紅一色白一色で丸められたものや、中は白、外は紅で巻かれ、まるでかまぼこのような見た目のものがあります。西日本で見ることはほとんどありません。 3種類ともモチモチとした食感が特徴的ですが、どのような違いがあるのでしょうか。主に原料が異なります。 求肥は、もち米を粉状にしたもち粉または白玉粉が用いられ、さらに製造過程で水と大量の砂糖が加えられます。もち粉に含まれるでんぷんと砂糖が混ざると、水分を保持する性質が生じるため、求肥は冷めても硬くなりにくいのです。 餅はというと、原料は求肥と同じもち米ですが、柔らかく蒸す時に水分が加わるものの、それ以降は何も加えず、蒸した後は粘りが出るまでついて作られます。でんぷんだけでは水分を保持できないため、冷めると硬くなってしまうというわけです。また、砂糖が加えられていないため、味は求肥のように甘くありません。 すあまは、そもそも使用される米が異なります。求肥や餅がもち米であるのに対し、すあまはうるち米を原料とする、上新粉を使って作られるのが一般的です。上新粉を使うことで、もち粉よりも粘り気のない、歯切れのいい生地となります。求肥と同様に大量の砂糖が使用されるため、そのまま食べても甘い和菓子です。 求肥の作り方 ※写真はイメージ これまで求肥の由来や製法について見てきました。求肥についての理解は深まったでしょうか。 ここからは、実際に求肥を自宅で作るレシピをご紹介していきます。求肥を作った後のアレンジレシピは子供でも一緒に楽しんでできるので、ぜひ休日など時間のある時に試してみてください。粘土遊びの好きな子であれば、楽しんでもらえるかと思います。 レンジを使って自宅でお手軽求肥レシピ 富澤商店で紹介されている、電子レンジを使ったお手軽な求肥のレシピです。水以外のすべての材料が富澤商店で販売されています。ぜひ購入して作ってみてください。 材料(3~4人分) 特上 白玉粉 50g 上白糖 80g 水 90cc かたくり粉 適量 1.耐熱容器に白玉粉、上白糖と水を入れ、よく混ぜて溶かす。 2.ラップをかけ電子レンジで3分加熱する。 3.透明感が出るまでゴムベラで練り、片栗粉をふるったバットに取り出す。 4.包丁に片栗粉を付け、一口大に切る。 ※冷凍庫で冷やし固めると包丁で切りやすくなります。 富澤商店 ーより引用 求肥を使ったアレンジレシピ ※写真はイメージ 北ひびき農業協同組合(JA北ひびき)で紹介されている、求肥を使ったスイーツ2種です。求肥は上記で紹介した鍋練りもしくはレンジを用いて、レシピの倍量で作成してください。砂糖の量に悩んだ時は、多めにしておけば硬くなりにくいです。 材料(8個分) 白玉粉 100g 上白糖 200g 水 200ml 打ち粉(片栗粉) 適量 餡子 適量 いちご 8個 作り方 1.電子レンジ対応の耐熱容器に白玉粉を入れ、水を少しずつ加えながらダマが残らないようによく混ぜる。粉っぽさが無くなったら上白糖と残りの水を全て入れよく混ぜる。 2.容器にラップをして500Wの電子レンジで2分加熱し、濡らした木ベラで混ぜる。これを数回(様子を見ながら)繰り返す。半透明になって、餅のような弾力があればよい。 3.打ち粉をしたバットに2の求肥を入れて上から打ち粉をして手である程度薄く伸ばし8等分に切り分ける。切った面にも打ち粉をして冷ます。求肥の完成です。 アレンジ1(お雛餅) 求肥を麺棒で2mm位に伸ばし、12〜13cm角にして斜めに切り、餡子と苺を乗せ雛のかたちに包み雛餅の完成。 アレンジ2(苺大福) 餡子を2cm位の円形に成形して、求肥で丸く包む。はさみで切り込みを入れてそこへ苺を差し込み苺大福の完成。 JA北ひびき ーより引用 求肥をおいしく食べよう 求肥について、由来や製法、作り方までご紹介しました。「今まで何気なく食べていたけど知らなかった」「和菓子って意外と簡単に自宅でも作れるんだ」と思った人も多いのではないでしょうか。 求肥は冷凍保存もできるとのことなので、ぜひ一度自家製求肥にチャレンジしてみてください。白玉粉さえ買っておけば、いつでも手軽に作れるのでおすすめです。求肥について理解を深めることで、和菓子の魅力を再発見しましょう。 [文・構成/grape編集部] 出典 Apron/富澤商店/JA北ひびき Share Post LINE はてな コメント
求肥は『ぎゅうひ』と読み、大福などの和菓子に使用される生地です。食べたことはあるけれど、一体何でできているのか、どうやって作られているのか、知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、求肥について、名前の由来や製法、自宅で作れるレシピまで解説していきます。求肥について知って、和菓子をよりおいしく食べるきっかけにしてください。
求肥とは
※写真はイメージ
求肥(ぎゅうひ)は、なじみの薄いものと思うかもしれませんが、意外にも身近にあふれている和菓子の材料です。
例えば、大福や練り切り、羽二重餅といった和菓子に使用されています。『求肥』という名称で店に並ぶことが少ないため、「和菓子はよく食べるのに初めて知った」という人もいるかもしれません。
まずは、求肥の基本的な情報を知っていきましょう。
求肥の名前の由来
求肥は、平安時代に唐(中国)から伝わったものといわれています。もともとは『牛皮』または『牛肥』と書かれていました。
諸説ありますが、牛のなめし皮のように白かった、または食感が滑らかだったという説や、当時は玄米や黒砂糖を原料としており、色が牛の皮のように黒かったため、といった説があります。
しかし、当時は仏教思想により牛や豚などの獣肉食が嫌がられていたことから、表記を変えて現在の『求肥』になったといい伝えられているようです。
求肥の原料・製法
求肥は、もち粉または白玉粉に砂糖や水飴、そして水が加えられたもの。砂糖や水飴のおかげで冷めても硬くならず、柔らかい食感が楽しめるのです。
求肥には、以下の3つの製法があります。
水練りは、もっとも多く用いられる手法であり、もち粉に水を加え熱しながら砂糖や水飴を足していき、練り上げる製法です。ほかの製法で作るよりも、食感や手触りが滑らかで柔らかい生地ができます。
ゆで練りは、もち粉に水を加えて練った後にゆで、その後に砂糖や水飴を加えてさらに練り上げる製法です。ゆでることで、粉に確実に火が通ります。
蒸し練りは、もち粉を蒸してから砂糖や水飴を加え練り上げていくため、ゆで練りと同じく粉に確実に火が通る製法です。水練りに比べ保存期間が長いのが特徴となります。
それぞれの製法によって、柔らかさやコシといった食感に加え、日持ちが変わるのは驚きですね。各和菓子店でも製法が異なると思うので、お気に入りのお店にどの製法で作っているのか聞いてみても面白いかもしれません。
求肥・餅・すあまの違い
求肥と食感の似た食べものに、餅とすあまがあります。『すあま』とは、東日本で見かけることの多い和菓子です。
紅白に色付けされたものが多く、紅一色白一色で丸められたものや、中は白、外は紅で巻かれ、まるでかまぼこのような見た目のものがあります。西日本で見ることはほとんどありません。
3種類ともモチモチとした食感が特徴的ですが、どのような違いがあるのでしょうか。主に原料が異なります。
求肥は、もち米を粉状にしたもち粉または白玉粉が用いられ、さらに製造過程で水と大量の砂糖が加えられます。もち粉に含まれるでんぷんと砂糖が混ざると、水分を保持する性質が生じるため、求肥は冷めても硬くなりにくいのです。
餅はというと、原料は求肥と同じもち米ですが、柔らかく蒸す時に水分が加わるものの、それ以降は何も加えず、蒸した後は粘りが出るまでついて作られます。
でんぷんだけでは水分を保持できないため、冷めると硬くなってしまうというわけです。また、砂糖が加えられていないため、味は求肥のように甘くありません。
すあまは、そもそも使用される米が異なります。求肥や餅がもち米であるのに対し、すあまはうるち米を原料とする、上新粉を使って作られるのが一般的です。
上新粉を使うことで、もち粉よりも粘り気のない、歯切れのいい生地となります。求肥と同様に大量の砂糖が使用されるため、そのまま食べても甘い和菓子です。
求肥の作り方
※写真はイメージ
これまで求肥の由来や製法について見てきました。求肥についての理解は深まったでしょうか。
ここからは、実際に求肥を自宅で作るレシピをご紹介していきます。求肥を作った後のアレンジレシピは子供でも一緒に楽しんでできるので、ぜひ休日など時間のある時に試してみてください。粘土遊びの好きな子であれば、楽しんでもらえるかと思います。
レンジを使って自宅でお手軽求肥レシピ
富澤商店で紹介されている、電子レンジを使ったお手軽な求肥のレシピです。水以外のすべての材料が富澤商店で販売されています。ぜひ購入して作ってみてください。
求肥を使ったアレンジレシピ
※写真はイメージ
北ひびき農業協同組合(JA北ひびき)で紹介されている、求肥を使ったスイーツ2種です。求肥は上記で紹介した鍋練りもしくはレンジを用いて、レシピの倍量で作成してください。砂糖の量に悩んだ時は、多めにしておけば硬くなりにくいです。
求肥をおいしく食べよう
求肥について、由来や製法、作り方までご紹介しました。「今まで何気なく食べていたけど知らなかった」「和菓子って意外と簡単に自宅でも作れるんだ」と思った人も多いのではないでしょうか。
求肥は冷凍保存もできるとのことなので、ぜひ一度自家製求肥にチャレンジしてみてください。白玉粉さえ買っておけば、いつでも手軽に作れるのでおすすめです。求肥について理解を深めることで、和菓子の魅力を再発見しましょう。
[文・構成/grape編集部]