スチールのリサイクル方法、分かってる? 企業の回答に「知らなかった」
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「スチールは『リサイクル優等生』な素材!」
昨今、さまざまな所で耳にする、SDGs。『持続可能な開発目標』という意味で、2030年までに達成すべき17の目標が掲げられています。
『貧困』や『ジェンダー』など、目標のジャンルは幅広く、中には『地球環境の保護』も含まれています。
アルミとスチールだと、なんとなくアルミのほうがリサイクルに優れているイメージがあります。ネットでも、『スチールのリサイクルでは、多くのCO2が排出される』という情報を目にしたことが…。
そのようなイメージを持つ方もいらっしゃいますが、スチールは何度でもリサイクルすることでCO2を軽減できる素材なんです。1トンのスチール(鉄)をリサイクルするたびに、約1.39トンのCO2を削減できるんです。
リサイクルのたびにCO2が削減できるとは、すごいですね!
鉄鉱石の状態から鉄を作る時に、CO2を排出しますが、スチール(鉄)はリサイクルすることできれいな鉄に戻ることができるので、リサイクルすればするほど、新しい鉄を作る必要がなく、CO2を削減していることになるんです。
なるほど。スチールもアルミに引けを取らない、リサイクルに優れた素材ということですね!
ほかにも、『スチールのSDGsに優れている点』はありますか?
3つあって、まず1つ目は、資源が豊富な点です。地球のおよそ3ぶんの1は鉄といわれています。採掘しても環境への負荷が少なく、サステナブルな素材といえるでしょう。
2つ目は、リサイクルの際に最初の状態にリセットできるという点です。素材によっては、リサイクルしていくと色が変わったり質が落ちたりするものがあります。しかしスチールは、最初の状態に戻ることができ、何度でも繰り返しリサイクルが可能なんです!
リサイクル率100%になれば、無限に使い回すことができる…。
また、缶から缶に生まれ変わるだけでなく、テレビや自動車、ビルなど鉄が使われているものであれば、なんにでも生まれ変わることができる万能な素材なんです。
3つ目は、リサイクルルートが確立している点です。SDGsという言葉が知られるはるか前から、家庭で分別して回収日に出せば、特別な場所に持って行かなくても、リサイクルされるようにできています。
我々消費者が意識していない所で、スチール製品の分別回収がすでにSDGsに貢献していたんですね。
劣化せず、何度でも生まれ変われるなんて、まさに『持続可能な社会』の実現にぴったり!
※写真はイメージ。街中で見るビルの素材も、もとをたどればスチール缶…かも?
SDGsという言葉が広がる前から、環境に優しい素材として存在していたスチール。例えば、1958年に完成した、東京タワーにも、再利用されたスチールが使われていたといいます。
一方で、当たり前にリサイクルされていることから、『スチール=エコ』というイメージが薄れていっているのかもしれません。
スチールについて、もっと知ってほしい!
恥ずかしながら、手に持っているものがアルミかスチールかも意識しないまま、缶飲料を飲んでいました…。
いえいえ。多くの人が、そうだと思います。なので、実際にスチールの容器を手に取ってもらう機会を増やしていきたいと考えています。
例えば、2024年8月には、当社が開発したリサイクルできるスチール製容器『1Day Steel Cup(ワンデー スチール カップ)』のPRプロジェクト第1弾として、千葉県千葉市で行われた『第49回千葉の親子三代夏祭り』の屋台広場に初出店し、2日間で約2400缶を販売しました。
『第49回千葉の親子三代夏祭り』での『1Day Steel Cup』出店の様子
『1Day Steel Cup』。手に持ってみると、軽さに驚きます!
昔に比べて、ペットボトルなどの容器が出てきたことで、スチール缶自体は減っています。なので、若い人にスチール容器を実際に手に取ってもらえたら、逆に新しい素材と思ってもらえるかもしれません。
スチールの変わった商品や新しい商品を出しながら、改めてスチールが環境に優れた素材であることを地道にPRしていきたいと考えています。この先、「スチールの製品をみんなで使おう」という人や「スチール商品を出していこう」という企業が増えてくると嬉しいですね。
同社は、スチール素材のボトル缶を開発し、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の『国際参加者会議2024年夏(IPM 2024 Summer)』に提供するなど、世界に向けてもアピールしています。
スチールNBC(ニューボトル缶)入り清涼飲料水
インタビューでは、現状に甘えず缶製品の未来を考える、同社の熱意を感じました。今後、スチール製品がどのように我々消費者の手に新たな形で広まっていくか、楽しみですね。
SDGsと聞くと、堅苦しい印象を持つ人もいるかもしれません。しかし、普段、行っている缶製品の分別回収がすでにSDGsの活動になっていると知ったら、身近なものに感じるでしょう。
日々の生活の中で、何気なく手にしている製品の素材に注目することが、SDGsを考える第一歩になるかもしれません。
[文・構成/grape編集部]