震災で親を亡くした子も、進学をあきらめないで 民間企業の支援に注目が集まる
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2016年3月10日、エバラ食品・カゴメ・カルビー・ロート製薬の4社による、合同記者会見が行われました。
その内容は、東日本大震災によって親を亡くした子どもたちの支援を行っている『公益財団法人みちのく未来基金』の活動報告です。
出典:カルビー株式会社
みちのく未来基金は、震災遺児に対して大学・短大・専門学校の入学金・授業料を返済不要で、上限を年300万円とし全額支援する取り組みを行っています。
カゴメ、カルビー、ロート製薬の3社による、基金の設立は東日本大震災の発生した2011年10月。阪神・淡路大震災の後、建物や道路の復興はされましたが、ロート製薬会長の想いは「子どもたちの支援ができなかった」
震災で親を亡くした子どもたちに対し、高校卒業後の進学支援は殆どされていない現実がありました。国からは支援されない子どもたち。基金を設立したのは、民間企業だったのです。3社の意思に賛同し、エバラ食品も参加しました。
街は復興しても、亡くなった親は戻ってこない
支援対象は、両親およびいずれかの親を亡くした遺児・孤児。震災時に胎児だった子も含まれます。そして活動期間は、最後の遺児が学校を卒業するまでの約25年間です。
災害発生直後は、多くの善意が集まります。ですが、継続的な支援にはなかなか目が向けられていません。また、この基金は震災時に親が出張等で被災地にいて亡くなってしまった、他県の子どもも対象になります。また、浪人も2年までは対象。
復興が進み、外から見ていては気づきづらいけれど、子どもたちの震災は終わりません。亡くなった親は戻ってくることがないのです。それでも、子どもたちの人生は続いていきます。
遺児たちが進学をあきらめないために
4社による記者会見の様子は、5月18日にBusiness Journalによって報じられました。この報道をとりあげたTwitterの投稿は大きな注目を集めており、人々の関心度の高さがうかがえます。
報道がされるたびに「寄付をしたい」という声は徐々に増えていくといいます。ですが、震災から時が経つにつれて、人々の関心が遠のいていくのも事実です。
基金の存在が広く認知されておらず、そのために進学の夢を諦めてしまう遺児も少なくないはず。
公的な給付ではないので、永続的に基金が運営されるためには企業・団体からだけでなく、個人からの支援も必要とされます。みちのく未来基金は、支援者の寄付を募っています。寄付は全額が子どもたちへの学費に使われ、運営資金は設立企業と支援企業が賄います。
震災遺児が学業への夢をあきらめてしまわないために、基金の存在が広く認知され、応援する人々が増えていくことが望まれます。