熱を出しながら、YouTubeで秘境旅をして改めて思ったこと
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grape [グレイプ] entertainment
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
熱を出しながら、擬似旅をする
暮れから年明けまで、1週間近く寝て過ごして新年を迎えました。29日、作っておけるおせち料理は作っておこうとはりきって紅白なます、数の子、カリフラワーのサラダ、たたき牛蒡など。
30日の午前中にはお正月花を生けたのですが、もうこの時点でちょっと立っていられてない。咳が出始め、熱っぽい。用心して横になったのですが、これからずっと寝続けるとは。
大晦日には39℃、元旦は38℃。そして三が日を過ぎて平熱になったものの、ずっと目眩のようで、頭がふらふらしている。
そして10日ぶりに打ち合わせで外出。街は人が多くて、うろうろせずに早々に帰りました。
さて、そんな横になっていたとき、退屈しのぎに旅VLOGのYouTubeを楽しみました。それも自分では行かない、いや、行けないであろう国々をめぐる動画です。
例えば、パキスタンというと治安が悪く、観光で行ける国ではないと思っていたのですが、北部パキスタンのフンザという地方は7000メートル級の山に囲まれた美しいところです。
春には杏の花が咲き、秋には美しい紅葉が見られ、その光景は「桃源郷」と謳われたそう。人々も素朴で親切で、100カ国以上旅をしたこのVLOGの旅主によると、パキスタンのフンザが最もおすすめの場所だそうです。
知っていることよりも、知らないことの方がはるかに多い。見たことがあるものより、見たことがないものの方がはるかに多い。
書店に行くたびに、自分の無知さ加減を思い知らされ、この世界は謙虚さを持って生きることが大切なのだと思うわけです。
旅の記録の名著として多くの若者がバイブルのように読んだのはなんと言っても沢木耕太郎の『深夜特急』でしょう。26歳の沢木耕太郎が香港から陸路でロンドンを目指す。私も一気に第六巻のロンドンまで読みました。
十数年前にインドに行くことになった時、第3巻の「インド・ネパール」を熟読し、インドのカオスの中に入っていく気合いを入れたものです。
ホテルのベッドに南京虫はいないか(四つ星ホテル、いるわけない)。一滴も水を口に入れたくなくて、唇をキュッと結んでシャワーを浴びる。
(大袈裟すぎる)ガンジス河岸のカオス、物乞いと物売りと牛の間を縫うように歩き、火葬をしているのを見たあの体験は、今でもどう語っていいかわからないのです。
YouTubeでの秘境旅は擬似体験にもなりませんが、それなりに興味深い。そして『深夜特急』は深い読書体験として心と記憶に刻まれている。
そして実際に歩いたあのインドのカオスは、五感の記憶となっている。知っていることよりも知らないことの方がはるかに多い。
少しずつ、日々体験することを心に刻みながら生きていくことなのだと、熱が下がっても目眩のようにふわふわしている頭で、改めて思ったのでした。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」