馬の寿命はいくつ?競走馬としての寿命や最高年齢などもご紹介
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「競走馬の引退が早い気がする」
「馬ってどのくらい生きるのだろう」
このように考えたことがある人もいるのではないでしょうか。
実は、競走馬としての寿命は、馬の寿命の半分もありません。引退した後は、セカンドキャリアを歩む馬が多い傾向があります。
本記事では、馬の平均寿命と競走馬としての寿命、引退後のキャリアについてまとめました。
また、どのような馬が長生きしやすいのか、実際に長生きした馬の特徴についてもご紹介します。馬の寿命が気になる人、競走馬の引退後が気になる人はぜひ参考にしてください。
馬の寿命はいくつ?
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馬は、平均的な寿命と競走馬としての寿命が異なる生き物です。そのため、競走馬の引退と馬の寿命はイコール関係ではありません。
本章では『馬』としての平均寿命と、『競走馬』としての平均寿命について解説します。
『馬』の平均寿命
馬の平均寿命は20~30年程度です。以下のような同じ哺乳類動物と比較すると、長生きだといえるでしょう。
馬の20歳は人間では還暦程度に該当し、若々しい印象ではなくなります。
そのため、馬の20~30年は、比較的高齢だと考えられるでしょう。
『競走馬』としての寿命
競走馬としての寿命は5~6歳程度といわれています。5歳以降は競走馬としての能力が低下していくためです。
競走能力は2~4歳で成長すると考えられており、4~5歳でピークを迎えます。例えば、有馬記念の過去10年の年齢別勝利数を比較した結果は、以下の通りです。
一方で、6~7歳馬から1着は出ておらず、7歳以上の競走馬では過去10年で一度も3着以内に入っていません。
馬としての本来の寿命は20~30年ありますが、競走馬としての期間は寿命の半分にも満たないといえるでしょう。
小型な馬のほうが長生きしやすい
馬は品種によっても寿命が異なり、小型な馬のほうが長生きしやすい傾向があります。例えば『ポニー』は、競走馬よりも長生きするケースがあるといわれている品種です。
実際に日本でも、30~40歳のポニーが飼育されており、馬の平均寿命と比較すると非常に長生きかつ高齢だといえます。
競走馬や大型な馬が長生きできないというわけではありませんが、特性としてポニーのような小型な品種のほうが長寿になりやすい傾向にあるでしょう。
馬の最高寿命
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馬の平均寿命が20~30年、長生きしている馬で40歳程度といわれていますが、さらに長生きした馬もいます。
また、世界の最長寿命の馬は、2025年現在ギネス世界記録にも登録されている大型の馬です。
本章では、ギネス世界記録の馬と、日本でもっとも寿命の長い馬についてご紹介します。
ギネス世界記録
ギネス世界記録に世界最長寿命として登録されている馬は、イギリスのばん馬である『オールドビリー』です。『オールドビリー』の寿命は62歳で、平均寿命の2~3倍も生きていました。
『ばん馬』とは、そりや車などを引く馬です。農工具などを運搬するために使用される馬で、2025年現在、北海道帯広市では『ばんえい競馬』という競技も行われています。
大きさは、身長170~180cm程度。馬の種類の1つで競走馬の主流である『サラブレッド』と大差ありません。しかし、体重が千kgほどあり『サラブレッド』と比較すると約2倍です。
小型な馬のほうが長寿にはなりやすいですが、世界記録を持っている馬は非常に大型な品種であるといえるでしょう。
日本の馬
日本でもっとも長生きした馬は、静岡県御前崎市(おまえざきし)で飼育されていた『ポニー』です。41歳まで生きており『トラさん』という名前で親しまれていました。
一方、日本最長寿命の馬としてよくいわれているのは『シャルロット』です。『シャルロット』は競走馬でもっとも長く生きた馬であり、40歳81日でした。
現役時代は『アローハマキヨ』という名前で親しまれており、2勝の成績を残しています。
日本では、やはり小型の品種が長生きしていますが、競走馬でも長生きするケースがあるといえるでしょう。
実は馬の寿命の数え方は人と違う
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馬の年齢の数え方は人間のような生年月日ではありません。
馬の寿命は『馬齢(ばれい)』で計算されます。『馬齢』とは生まれた年を0歳とし、同年の1月1日から年齢を数える方法です。
例えば、2024年1月1日~12月31日までに生まれた馬は、2025年1月1日にそろって1歳を迎えています。
人間のように誕生日で年齢が決まるわけではないため、同じ1歳でも体格差などが見られるかもしれません。
馬の『1歳』は人間の年齢でいくつになるのか
馬の『1歳』を人間の年齢に置き換えると、6歳程度です。
また、2歳は中学生、3歳は高校生の年齢と同等になるといわれています。具体的な年齢で表すのは難しいといわれており、計算式も複数あるようです。
例えば、馬齢×4で計算する方法があり、ギネス世界記録の『オールドビリー』は人間だと240歳まで生きたことになります。
このようなことから、競走馬の3~5歳は人間の年齢で考えても、活発な時期だといえるでしょう。
競走馬の寿命を迎えた後はどうなる?
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競走馬としての寿命を迎えた後は、必ずしも明るい生活が待っているわけではありません。
乗用馬や繁殖用として第2のキャリアを歩む馬もいれば、短命に終わってしまう馬もいます。
ここでは、競走馬が引退した後、どのような道があるかについてご紹介します。
殺処分
引退した競走馬が殺処分されるケースは、少なくありません。
競走馬のなかには引退後のゆくえが分からなくなる馬もおり、多くは殺処分されて馬肉になっていると考えられています。
殺処分される要因の1つは維持費です。競走馬は比較的体の大きい馬であるため、食費などの維持費がかかります。
そのため、セカンドキャリアを進むために訓練を行っていた場合でも、難しいと判断されれば殺処分されてしまうことが現実です。
一方で2025年現在では、殺処分される馬を少しでも減らすための活動をしている牧場もあります。
乗馬用
多くの競走馬が、セカンドキャリアとして乗用馬の道に進んでいます。乗馬で活躍している馬の約7割は元競走馬です。
現役時代の結果なども求められないため、どのような馬でも活躍できるチャンスがあります。
しかし、乗用馬として活躍するには、多数のトレーニングが必要であり、一人前になるには時間が必要です。
乗用馬は競走馬以上に人と触れ合う機会も多く、一般人を安全に乗せられるようになるまで訓練を続けなければなりません。
繁殖用
現役時代の成績が優秀である馬は、新たな競走馬を増やすために引退するケースがあります。
繁殖を理由に引退するケースは決して多くないため、限られた馬のみのセカンドキャリアだといえるでしょう。
例えば、2022年頃まで活躍していた『アカイトリノムスメ』は、父『ディープインパクト』、母『アパパネ』から生まれて結果を残した馬です。
引退のきっかけは病気でしたが、繁殖馬としてのキャリアが期待されました。
『アカイトリノムスメ』のように、現役時代に活躍した競走馬から生まれた馬は、デビュー時から注目されるため、競馬界を盛り上げるでしょう。
馬の寿命は20~30歳ほどだが、競走馬としての寿命は限られる
馬の平均寿命は20~30年程度といわれています。小型な品種のほうが長生きしやすく、日本では『ポニー』がもっとも寿命の長い馬です。
また、ギネス世界記録は『オールドビリー』の62歳であり、平均寿命の2倍以上生きています。
しかし、競走馬としての寿命は5歳程度であり、非常に限られた期間です。引退後は乗馬用や繁殖用などのセカンドキャリアのほか、殺処分という道もあります。
年間約5千頭の競走馬が引退するといわれているため、馬の命を短命にしないための対策が必要でしょう。
[文・構成/grape編集部]