文科省が配布した教員向けLGBTパンフレットの中身
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小中学校の先生方との会話の中で、「LGBT」の言葉を出しても怪訝な表情をされなくなった。テレビなどマスコミでも取り上げることが多くなったこともあるのだろうが、文科省が配布した教員向けLGBTのパンフレットの影響も少なからずあるとは思う。
パンフレットのタイトルは、
性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細やかな対応等の実施について(教職員向け)
いかにも官庁らしい長いタイトルのパンフレットを改めて読んでみる。文科省が学校に向け、LGBTに関する書類を出したのは、2015年4月のこと。戸惑った教育委員会や学校も多く、様々な質問が出てきたそうだ。今回のパンフレットは、その文科省の書類を読んで、全国から寄せられた質問に対する答えも入れ込んでいる。
たとえば対応以前の問題として、学校としてLGBTの生徒の数をどのように把握すればいいのか。学校としてアンケート調査などを行って積極的に把握した方がいいのか。この質問に関して文科省は、こう答えている……と、そのまま抜粋しようと思ったが、官庁で出される文言は表現が固く、慣れるまで、すんなり頭に入ってこないので、僕なりに解釈して書かせていただくことをお許しいただきたい。
LGBTの児童生徒が家庭内でカミングアウトし、理解を得たとしても、他の児童生徒、職員に対して知らせてほしくない場合もある。世の中とどう折り合いをつけていくかなど心の準備が整っていない児童生徒に対し、一方的にアンケートを実施する、または先生が個別に面談すると、生徒の自尊心を傷つけてしまう。よって具体的な調査を行う必要はない。それよりも学校は教職員がLGBTに対する正しい知識を持ち、日頃から生徒たちが相談しやすい環境を整えておきましょうということのようだ。
LGBTで悩む生徒の対応だけではなく、他の児童生徒への配慮はどうすればいいのかといった質問もある。
職員用トイレの使用を認めるなど他の生徒や保護者にも配慮した対応を行っている例を挙げ、LGBTで悩む生徒への配慮と供に他の児童生徒や保護者への配慮も重要だと書いている。パンフレットの文言で「配慮の均衡」と表記されているのが、いかにも文科省的である。
こうして先生たちが意識するようになることは大きな前進だと思う。ただ、現在の教育界は、「保護者から文句が出ない」ことが優先されがちで、消去法的な指導が多くなる傾向にあり、画一的の指導になりがちになる。
このパンフレットがLGBTの生徒に向けたマニュアルではなく、あくまで資料として活用されることを願っている。
あくまで多様性の話だからね。
参考:性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細やかな対応等の実施について(教職員向け)
記:イシコ
GLASS GEM POPCORN
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