7年を経て再会した犬の親子 誰も2匹を引き離せなかった
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カナダに住むエリザベス・スペンスさんは、動物保護シェルターからメスのイングリッシュポインター、ノラを引き取りました。虐待を経験していたノラは人を恐れてなつけなかったのです。
ですが、無垢な赤ちゃんにだけは心を許し、やがて他の家族とも打ち解けて幸せに過ごしていました。
虐待され、人を警戒する犬 傷ついた心を癒したのは、小さな親友でした
そしてノラには、もうひとつドラマチックな出来事が起こります。
心に傷を持っていた犬、ノラ
2008年に発見された時、ノラはまだ10ヶ月でした。それまでずっと、外に置かれた汚い犬小屋に隔離され、他の世界を見ることもなく放置された状態で過ごしていました。
そんな状態にもかかわらず、ノラは妊娠していました。それだけではありません。身体のあちこちに激しく虐待された跡がありました。
The Dodoに対し、飼い主のエリザベスさんはこのように語っています。
ノラがいた施設は摘発され、ノラは一緒に救出された犬や動物とともFunds For Furry Friendsという動物保護の施設に移りました。
その2日後、ノラは5匹の子犬を産みました。残念なことに1匹は生まれた直後に死んでしまいましたが、他の子犬たちはノラの愛情と世話を受けて、ぐんぐん成長していきました。そして、子犬たちがノラの母乳を必要としなくなった頃、子犬たちはそれぞれ新しい家族のもとへ引き取られていきました。
そしてエリザベスさん夫婦が動物保護施設を訪れ、ノラと運命的な出会いをしたのです。
それまでのノラに必要だったものは、つらい虐待や境遇を耐え抜く「辛抱」だけでした。しかし、本当に必要なものは愛だったのです。
優しくて愛に満ちたノラ。極度の虐待で人を怖れる癖がついてしまったノラに必要だったものは、凍り付いてしまった心を溶かす誰かの愛でした。
エリザベスさん夫婦の家に引き取られたノラは、想像通り、優しくて素晴らしい犬でした。ですが人を避ける癖はなかなか抜けず、エリザベスさん宅にすでにいた犬が1匹、猫が3匹とも最初はうまくなじめませんでした。
しかし、エリザベスさんがアーチャー君を出産してから、ノラは大きな変化を見せ始めます。無防備で無垢な赤ちゃんのアーチャー君の存在がノラの心を傷を少しずつ癒していったのです。ノラは、アーチャー君に生き別れになった我が子を重ねていたのかもしれません。
そのから、月日は流れ、エリザベスさん夫妻の子どもは3人になりました。ノラはどの子どもにも同じくらいなついていますが、エリザベスさんには、ノラとアーチャー君との間には特別な絆があるように見えました。
エリザベスさんは、時として淋しそうな表情を見せるノラが、別れた子犬のことを考えているとはわかっていましたが、ノラが自分の子にもう一度会うことは永遠にないだろうと思っていました。
運命を変える一本の電話