「知ることから始めたい」世界中で30万人いる『子ども難民』の現状に涙
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- 出典
- (公財)日本ユニセフ協会
ユニセフ(国連児童基金)が、世界各地を単独で移動する難民・移民の子どもの数が過去最多となり、2010年以降、約5倍に増加したという報告書を発表しました。
2015年~2016年に、大人の同伴者がいない、あるいは保護者と離ればなれになった状態で国境を越えた子どもの数は、約80カ国で少なくとも30万人。
2010年~2011年の6万6千人から大幅に増加しています。
© UNICEF/UNI186113/Calvin
ユニセフの報告書『子どもは子ども:移動する子どもたちを暴力・虐待・搾取から守る(A Child is a Child: Protecting children on the move from violence, abuse and exploitation)』では、子どもの難民・移民危機の世界的な概況、移動の背景にある事情、そして移動中に直面したリスクについて伝えていました。
多くの子どもたちが、密航業者や人身売買業者にそそのかされ、目的地へ辿り着くために危険性の高いルートを選ぶことを余儀なくされているのです。
このことからユニセフは、子どもたちを搾取や虐待、死から守るための世界的な保護システムが必要と考えました。
© UNICEF/UNI200263/Nybo
ユニセフ事務局次長のジャスティン・フォーサイスはコメントでこう述べます。
独りで移動する子どもは、一人たりともいてはなりません。しかし今日、驚くべき数の子どもたちが独りで移動しています。私たちおとなは、彼らを守ることができていないのです。
冷酷な密航業者や人身売買業者は、自分たちの利益のために、子どもたちの弱さに付け込んでいます。
子どもたちの国境横断を手助けするのは、奴隷や強制的な売春をさせる対象として売るためなのです。このような捕食者たちから、子どもたちを適切に保護できていないことは、私たちの良心に反しています。
報告書が示す主な調査結果
さらにイタリアで開催されるG7サミット開催に先駆け、ユニセフは各国政府に対して、難民・移民の子どもたちを保護し、彼らの健康が確保されるために必要な6つの具体的な行動を提示。そのアジェンダの採択を求めています。
ユニセフのアジェンダが掲げる行動目標
© UNICEF/UNI200268/Nybo
普段知ることのない、世界にいる子どもの難民についての現状。すぐに行動できることはないかもしれませんが、こういったことを知ることで私たちにもできることが出てくるかもしれません。
子どもが子どもらしく、明るい笑顔で生きられる世の中になることを願います。
ユニセフ 報告書はこちらから読むことができます(英文)
[文・構成/grape編集部]