「こ、これが本物か!」本当に『おいしい海産物』に出会える場所
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東日本大震災を機に、大きく運命を変えた民宿『つなかん』。
そこは女将の菅野一代さんを中心に、被災地とは思えないほど笑顔があふれ、家族のような仲間がたくさん集う場所でした。
そんな心温まる民宿で、3年間料理長として働いていた今井竜介(りょうすけ)さんが、つなかんで撮りためた写真の展示会を東京で開催。
以前つなかんに訪れたことのあるgrape編集部も、親戚の家に遊びに行くような感覚で取材に行ってきました。
まずは、つなかんが誕生した経緯についてご紹介します。
ただいま、おかえりが似合う場所
つなかんは、宮城県北東部の唐桑(からくわ)半島・鮪立(しびたち)にある、小さな民宿です。
約100年に渡りカキやワカメの養殖を営む、盛屋水産の家族が住む自宅でした。
しかし、東日本大震災で養殖業の道具や船を流され、家も柱と屋根が残るだけという状態になってしまったそうです。
2011年8月、途方に暮れている一代さんのもとに「ここに泊めてください」と学生ボランティアが訪ねてきたことで、大きく運命は変わります。
当時の被災地は、屋根のある場所に寝泊りできるだけでもありがたい状況で、すぐに多くのボランティアが集まってきたそうです。
一代さんは「みんなが『ただいま』といえる場所を作りたい」と、取り壊しも考えていた家を民宿として建て替えます。
持ち前の人懐こさと底抜けの明るさで、名物女将となった一代さん。つなかんには約1000人のボランティアが訪れ、いつしか家族のような仲間が数多く生まれる場所になっていました。
カキなどの養殖業も再開し、ボランティアで訪れていた竜介さんを料理長として迎え、獲れたての食材を使った食事も用意されるようになりますが…。
順風満帆だったつなかんに、震災とは異なる不幸が訪れました。
つなかん、存続の危機に