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懐かしい昭和の夏の光景 そして、令和の夏へ…

By - 押阪 忍  公開:  更新:

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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。

ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。

昭和の夏 令和の夏

やっと梅雨の長雨が終りました。九州には『線状降水帯』という雨雲がかかり、被害も出ましたが、7月24日、やっと九州、近畿地方に梅雨明け宣言が出ました。7月24日は、来年の東京オリンピックの開幕日です。いよいよ夏本番ですね…。

ところで当方は 昭和の夏をたっぷり味わって育ちました。昼はかき氷、ラムネ、アイスキャンデーで喉をうるおし、真昼の暑い日差しの部屋は、よしず、すだれで日除けをし、涼をとるのは団扇うちわが主役で、扇風機は、一般家庭では まだ少ない頃でした。

夕立ちの後は、たらい行水ぎょうずいを使い、浴衣に着替えて、縁台に座り、蚊取線香をき、線香花火で遊ぶという夕暮れです。夜は蚊帳かやを吊り、蚊帳の中に入った蚊をパチンパチンと両手でやっつけるという夏の夜の寝床ねどこでした。

団扇から扇風機に変った時は、電動の涼しさは嬉しく有難く感じましたが、その数十倍もオドロキ 感激したのは、冷たい風が出る『クーラー』という冷房機でした。「自動で冷たい風が出る! 冷たい風が!! 団扇も扇風機も要らない!!」 団扇は毎夏、2本ぐらいは使い切り、ヘナヘナにしていましたが、以来何処かに消えて無くなりました。

風呂上り、『クーラー』で背中を冷やす あの心地よさ!! そのクーラーは、平成に入ると冷暖両使用のエアコンに変りました。

そんな昭和人は、今、ひんやり冷風のエアコンで 令和の極暑をなんとか涼しく凌いでおります。令和の『令』の字が『冷』に通じると思ったりして…。今月来月、猛暑日を超えない令和元年の夏を期待しています。

<2019年7月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2019年現在、アナウンサー生活61年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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