「とにかく捨てないで!」 歴史資料を守る研究者たちから被災地へお願い By - grape編集部 公開:2019-10-21 更新:2019-10-21 台風災害 Share Post LINE はてな コメント 歴史学会関係者などによって結成された『歴史資料ネットワーク』は、災害時の歴史資料の保全などを行っています。 2019年10月12~13日にかけて日本を襲った大型の台風19号では、多くの家が浸水し、家具なども水に濡れてしまいました。 『歴史資料ネットワーク』は、被災者に向けて歴史を守るためにも、古い記録を捨てないように呼びかけています。 ■水や泥で汚れた古い記録を捨てないでください 災害復旧の過程で、被災した建物から古文書などが出てくることがあります。これらは一見するとゴミのようですが、地域の貴重な歴史を記録したかけがえのない財産ですので、安易に処分しないでください。また、水害で被害を受け、泥水で汚れた紙の資料は、カビが生えるなど劣化していることがありますが、適切な処置を行うことで、修復することが可能な場合があります。 ■そもそも歴史資料って何? 「うちにはそんな古いもの・貴重なものなんてない」とすぐに処分しないでください。国や県や市町村による指定文化財だけが歴史資料ではありません。下記のようなものも、地域や家族・個人の歩みを示す貴重な資料です。 •古文書(くずした文字で和紙に書いたものなど) •古い本(和紙に書かれて冊子にしてあるものなど) •明治・大正・昭和の古い本・ノート・記録(手紙や日記など)・新聞・絵 •写真やフィルム、ビデオテープやホームムービーなど •古いふすまや屏風(古文書が下貼りに使われている場合がよくあります) •自治会などの団体の記録や資料 •農具、機織りや養蚕の道具、古い着物など、物づくりや生活のための道具など 倒壊した家屋の下敷きとなったり、水や泥で汚れてゴミのように見えても、歴史資料である場合があります。 これらのものは捨てたり焼いたりせず大切に保管下さい。早急な処置によって、修復が可能な場合があります。 2019年台風19号被災地のみなさま、ボランティアのみなさまへ(歴史資料保全のお願い) ーより引用 一見ゴミのようなものも、実は『歴史資料』の場合があります。 歴史資料ネットワークは、歴史資料を「地域と、そこに生きた人々の歴史を復元するための唯一かつ貴重資料」と語った上で、「保全活動にご協力をたまわれますと幸いです」と呼びかけました。 『歴史資料』を見つけた場合どうすればいいのか もし、歴史資料のようなものを見つけた場合、ボランティアの人は、「処分する前に所蔵者に確認してほしい」とのこと。 また、歴史資料ネットワークは「史料所蔵者も安易に廃棄・売却などせず、教育委員会や各地の史料ネットに相談してほしい」とお願いしています。 ただし、見つけたからといってすぐに乾燥させるのは厳禁です! やってはいけないこと 冊子を無理にこじあけないでください。 天日やアイロン・ドライヤーなどで急激に乾燥させないでください。電子レンジでの乾燥も歴史資料を傷めます。 とにかく捨てないでください! 資料の修復方法 | 歴史資料ネットワーク ーより引用 「とにかく捨てないで」とお願いする歴史資料ネットワーク。迷った場合は連絡をしてほしいとのことです。 濡れた資料の応急処置の方法は、こちらの動画やウェブで紹介しています。 資料の修復方法 誤って歴史資料を捨ててしまうと、後世へこれまでの歴史が十分に伝わらない可能性もあります。 復旧活動は大変と思いますが、『歴史を残す』ということを忘れないようにしたいですね。 [文・構成/grape編集部] 出典 歴史資料ネットワーク(史料ネット) Share Post LINE はてな コメント 関連記事 「沖縄県民ですが…」 台風の停電対策に「ありがとう」「学びが多いです!」 地下50mにある『首都圏外郭放水路』 台風後を写した1枚に、衝撃 【危機一髪】登山者たちを突如襲った『土石流』にゾッとする! 被災地で吉野家が牛丼を提供! 被災者からも「本当にありがとう!」「素晴らしい」の声 pagetop
歴史学会関係者などによって結成された『歴史資料ネットワーク』は、災害時の歴史資料の保全などを行っています。
2019年10月12~13日にかけて日本を襲った大型の台風19号では、多くの家が浸水し、家具なども水に濡れてしまいました。
『歴史資料ネットワーク』は、被災者に向けて歴史を守るためにも、古い記録を捨てないように呼びかけています。
一見ゴミのようなものも、実は『歴史資料』の場合があります。
歴史資料ネットワークは、歴史資料を「地域と、そこに生きた人々の歴史を復元するための唯一かつ貴重資料」と語った上で、「保全活動にご協力をたまわれますと幸いです」と呼びかけました。
『歴史資料』を見つけた場合どうすればいいのか
もし、歴史資料のようなものを見つけた場合、ボランティアの人は、「処分する前に所蔵者に確認してほしい」とのこと。
また、歴史資料ネットワークは「史料所蔵者も安易に廃棄・売却などせず、教育委員会や各地の史料ネットに相談してほしい」とお願いしています。
ただし、見つけたからといってすぐに乾燥させるのは厳禁です!
「とにかく捨てないで」とお願いする歴史資料ネットワーク。迷った場合は連絡をしてほしいとのことです。
濡れた資料の応急処置の方法は、こちらの動画やウェブで紹介しています。
資料の修復方法
誤って歴史資料を捨ててしまうと、後世へこれまでの歴史が十分に伝わらない可能性もあります。
復旧活動は大変と思いますが、『歴史を残す』ということを忘れないようにしたいですね。
[文・構成/grape編集部]
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